不動産知識
今更聞けない。「省エネ基準適合」や「ZEH水準」とはなんなのか?
不動産売買において、2024年以降もっとも重要視されるようになった「省エネ基準適合」と「ZEH水準」。これらは単なる環境性能の差ではなく、「住宅ローン減税の額」や「売却時の資産価値」に直結する死活問題となっています。
両者の違いと、なぜ今これを知っておくべきなのかを分かりやすく解説します。
「省エネ基準適合」と「ZEH水準」の違い
一言でいうと、ZEH(ゼッチ)水準は、省エネ基準よりもさらに厳しい(高性能な)基準です。
| 省エネ基準適合住宅 | ZEH水準省エネ住宅 | |
| 断熱性能 | 断熱等性能等級 4 以上 | 断熱等性能等級 5 以上 |
| 省エネ性能 | 一次エネルギー消費量等級 4 以上 | 一次エネルギー消費量等級 6 以上 |
| 目安 | 平成28年基準の一般的な性能 | 太陽光発電を除いても高い省エネ性 |
省エネ基準適合とは?
2025年4月から、原則として全ての新築住宅に適合が義務付けられる最低限のハードルです。これに満たない住宅は、今後「既存不適格」に近い扱い(ローン減税対象外など)を受けることになります。
ZEH水準とは?
省エネ基準よりもさらに断熱性能を高め、高効率な設備(LEDや高効率給湯器など)を導入した住宅です。さらに太陽光発電などでエネルギーを創ることで、年間のエネルギー収支をゼロに近づけます。
なぜ「ZEH水準」にこだわるべきなのか?
最大の理由は、住宅ローン減税(控除)の借入限度額にあります。
2024年〜2025年に入居する場合、住宅の性能によって最大借入限度額が以下のように変わります。
- ZEH水準省エネ住宅:3,500万円
- 省エネ基準適合住宅:3,000万円
- その他の住宅(※):原則 0円(控除なし)
(※2023年までに建築確認を受けたものを除く)
つまり、ZEH水準を満たしていないだけで、買主様が受けられる減税額が大幅に減ってしまい、結果として「売れにくい」「価格を下げざるを得ない」という状況を招くのです。
性能を証明する「評価書」の重要性
これらの性能は、見た目では分かりません。売却時やローン申請時には、第三者機関が発行する以下の書類が「証拠」となります。
- BELS(ベルス)評価書:星の数で省エネ性能を格付け。
- 建設住宅性能評価書:断熱等級やエネルギー等級が明記された書類。
まとめ:これからの住まいに求められる「省エネ性能」のスタンダード
今回の内容を整理すると、現代の住宅価値を測る指標は大きく変化していることがわかります。
1. 「省エネ基準適合」は、もはや「最低限のルール」へ
2025年4月からは、すべての新築住宅に省エネ基準への適合が義務化されます。これにより、基準を満たさない建物は「現代の標準に届かない住まい」とみなされる時代がやってきます。
2. 「ZEH水準」がもたらす高い付加価値
省エネ基準をさらに上回る「ZEH水準」は、単なる光熱費の削減だけでなく、住宅ローン減税の借入限度額(最大3,500万円)や、住まいの快適性(断熱性)に直結します。
3. 「書類」が性能を証明する時代
建物の性能は目に見えません。「断熱等性能等級」や「一次エネルギー消費量等級」が明記された住宅性能評価書やBELS評価書といった書類が、その住まいの客観的な価値を証明する重要なツールとなります。
とは言え、その差に関して初期投資に対して、ランニングコストとの関係、またその先には、様々な法令改正、基準の変更などが繰り返される事になります。住宅の仕様の変化、光熱費等の上昇、ライフスタイルの変化など、今を基準にするのではなく、将来設計も含め、「省エネ基準適合」又は「ZEH水準」にするかを検討される事をおすすします。
囲炉裏、暖炉、炬燵などの暖房器具から、石油ストーブ、石油ファンヒーター、等々で局所を温める時代から、空間全体を温める時代に変化してきました。誰もいない空間を温める事が省エネなのか、自分の居場所だけを温めるのか、時代と共に家族構成も変化します。住宅ローン返済期間も35年から50年と、長期化している今、時代に流される事なく賢い「家つくり」をお勧めします。
引用元・根拠資料
本記事の内容は、以下の公的な最新基準に基づき作成しています。
- 国土交通省|住宅ローン減税(2024年以降の入居分) (ZEH水準:3,500万円、省エネ適合:3,000万円の借入限度額の根拠)
- 国土交通省|改正建築物省エネ法(2025年4月施行) (2025年からの全建築物に対する省エネ基準適合義務化の根拠)
- 経済産業省 資源エネルギー庁|ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス) (ZEH水準を満たすための断熱・省エネ・創エネの定義根拠)

