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浸水したことがある家は売れる?浸水歴の伝え方・査定への影響・売却前の準備【2026年版】
過去に大雨で自宅が浸水したことがある。
今は修理も終わり、普通に生活できているけれど、売却を考えたときに、
「浸水したことがある家でも売れるのだろうか」
「昔の水害まで買主に伝えたほうがいいのか」
「査定価格が大きく下がるのではないか」
と気になることがあります。
浸水歴があるというだけで、不動産が売買の対象にならなくなるわけではありません。実際に、床上浸水した中古住宅がその後売却された事例も公開されています。
ただし、売却では「浸水した」という事実だけを見るのではなく、どの程度の被害だったのか、その後どのような修繕をしたのか、現在の建物はどのような状態なのかを分けて整理することが大切です。
2026年7月に国土交通政策研究所が公表した調査でも、不動産取引に水害リスク情報が加わったことなどを背景として、住宅購入者の水害リスクへの意識・関心が高まっていることが確認されています。
浸水したことをなるべく触れずに売るのではなく、確認できる事実を整理し、購入する方が判断できる状態にしておく。そこから売却を考えていきましょう。
「浸水した家」といっても状況はそれぞれ違う

売却を考えるとき、最初に確認したいのは「どこまで水が来たのか」です。
同じ大雨でも、道路だけが冠水した住宅と、居室まで水が入った住宅では状況が違います。
「前面道路は冠水したが、敷地には入っていない」
「庭や駐車場まで水が来た」
「床下まで浸水した」
「床上まで浸水し、床や壁を交換した」
といったように、できるだけ具体的に整理します。
可能であれば、いつ・どの程度・どこまで・どのような原因で浸水したのかまで確認しておくと、その後の査定や買主への説明もしやすくなります。
昔のことで正確な記憶がない場合は、無理に埋める必要はありません。
分からないことを推測して説明するより、「ここまでは確認できている」「ここから先は記録が残っていない」と分けておくほうが適切です。
浸水したことがある家でも売却はできる
「一度水が入った家だから売れない」と、査定を受ける前から決めつける必要はありません。
住宅の売却価格や売れやすさは、浸水歴だけで決まるものではないからです。
立地や築年数、現在の建物状態、その後の修繕内容、周辺の相場、現在の水害リスクなど、さまざまな条件を見ながら売却方法を考えます。
一方で、水害リスクが購入判断の材料になっていることは考慮しておきたいところです。
国土交通政策研究所が2026年にまとめた調査では、住宅購入者の水害リスクに対する意識や関心が高まっていることが報告されています。
そのため売主側では、「浸水しました」で終わらせず、「その後どうしたのか」まで説明できる状態にしておくことが売却準備になります。
実際に浸水した家でも売却された事例はある
「実際に買い手が見つかった家はあるのか」という点については、他の不動産会社が公開している事例を確認できます。
福島県の不動産会社WIREDが公開している売却事例では、台風19号で床上浸水した中古住宅について、住み替えに伴う売却を受けたケースが紹介されています。
同社によると、浸水歴を踏まえて販売価格を大きく見直し、販売を開始したところ、数日で購入者が決まり成約したとされています。
これは実際に床上浸水した住宅が売却された一例です。
ただし、この事例を、「浸水住宅でも数日で売れる」「半額にすれば売れる」という一般的な基準として考えることはできません。
この住宅では、立地や建物の状態、販売価格、売主の希望などを踏まえて個別に販売方法が決められています。同社自身も、床上浸水した建物であることを考慮して大幅な価格調整を行ったと説明しています。
ここから分かるのは、「浸水した家=売却できない」ではない一方、浸水歴を含めた物件条件に合わせて販売方法や価格を考える必要がある、ということです。
自宅の場合に同じ価格調整が必要とは限りません。まず査定を行い、その家の条件で考えることが大切です。
浸水歴があると査定価格は必ず下がる?
「床下浸水したら何%下がる」といった、全国共通の査定基準があるわけではありません。
そのため、「昔浸水したから、査定する前に300万円くらい安くしておこう」と売主自身で決める必要はありません。
査定では、浸水した事実だけではなく、現在の建物状態、修繕内容、立地、周辺の取引状況などを見ながら価格を考えます。
国土交通政策研究所の調査では、規模の大きな浸水被害を受けた地域について、不動産取引や人口・世帯数の動向にも一定の変化がみられたとされています。ただし、これは地域を対象とした分析であり、「浸水住宅は一律○%下落する」という調査ではありません。
浸水歴があるから先に値段を大きく下げるのではなく、現在の状態と市場価格を確認してから売出価格を考えるほうがよいでしょう。
ハザードマップと「実際に浸水した履歴」は別の情報
売却時には、この違いを知っておく必要があります。
2020年8月から、不動産の売買・賃貸における重要事項説明では、水防法に基づいて作成された水害ハザードマップを使い、対象となる不動産のおおむねの所在地を説明することが義務付けられています。
ここで確認するのは、洪水・雨水出水(内水)・高潮などについて、どのような水害が想定されている場所なのかという情報です。
一方、「この住宅が○年前に実際に床下浸水した」というのは過去の出来事です。この2つは同じではありません。
ハザードマップに色が付いていないから、過去にも水害がなかったとは限りません。反対に、浸水想定区域に入っているから、その住宅が実際に浸水したことがあるとも限りません。
売却するときには、現在のハザード情報と、実際の浸水履歴を別々に整理すると考えると分かりやすくなります。
昔の浸水でも不動産会社へ伝えたほうがよい?
ここは売主自身だけで判断しないほうがよい部分です。
過去の浸水について、「何年前までなら伝えなくてもよい」と一律に決められる単純な話ではありません。被害の程度や現在の建物状態、取引への影響などによって検討する必要があります。
そのため、売主が把握している冠水・浸水履歴は、媒介を依頼する不動産会社へ最初から伝えておくのがよいでしょう。
不動産適正取引推進機構では、「新築戸建住宅分譲における冠水履歴等の不告知をめぐるトラブル」をはじめ、浸水情報の説明をめぐる複数の紛争事例が公開されています。
実際の紛争事例では、過去の道路冠水情報を確認していたものの、対象住宅との関係について十分な調査・情報開示ができなかったことなどが争点になっています。
個々の売買でどこまで説明が必要かは、不動産会社などと確認する必要があります。
ただ、「昔のことだから黙っておこう」「きれいに修理したから説明しなくてもよいだろう」と売主だけで判断するのは避けたほうがよいでしょう。
修繕してきれいになった家はどう考える?
浸水後に床や壁を交換し、見た目では以前と変わらない状態になっている住宅もあります。修繕していることは、売却時に確認しておきたい大切な情報です。
ただし、修繕したことで過去の浸水という事実そのものがなくなるわけではありません。
反対に、過去に浸水したから、現在も建物に問題が残っているとも限りません。
そのため売却するときには、「○年にここまで浸水した」「その後この部分を修繕した」「現在はこの状態になっている」と順番に分けて説明できると、購入する方も状況を判断しやすくなります。
現在の建物状態を確認する必要がある場合には、建物状況調査、いわゆるインスペクションを利用する方法もあります。
ただし、調査を行えば住宅に一切問題がないことが保証されるというものではありません。売却する住宅の状況に応じて、不動産会社などと相談しながら検討します。
売却前に残っている資料を探してみる
浸水した家を売るために、新しく大量の資料を作る必要はありません。最初は、手元に残っているものを探すところからで十分です。
- 浸水した当時の写真や記録
- 修繕・リフォーム工事の見積書や請求書
- 工事前後の写真
- 交換した設備が分かる資料
- 罹災証明書など手元に残っている公的資料
- 保険を利用した場合の関連資料
- 浸水した時期や範囲を確認できる記録
すべてそろっていなくても、それだけで売却できないわけではありません。
「2019年の大雨で床下まで浸水した。床上への浸水は確認していない。その後、床下の清掃と乾燥を行い、工事会社の請求書が残っている」
というところまで分かれば、単に「昔浸水しました」と伝えるより状況は具体的になります。
分からない部分を想像で補う必要はありません。残っている資料と、現在確認できる事実を分けておくことが大切です。
地域のハザード情報も売却前に確認しておく
水戸市・石岡市・鉾田市・ひたちなか市では、それぞれ自治体が水害に関する情報を公開しています。
水戸市のWEBハザードマップでは、洪水などの災害リスクだけでなく、調べたい場所の過去の水害履歴を確認できる機能も用意されています。
石岡市では防災ハザードマップが公開されており、地域ごとの洪水などの情報を確認できます。
鉾田市も洪水・津波などのハザード情報を公開しています。なお、鉾田市は一部河川について、最新の浸水想定区域の変更が現在のハザードマップに反映されていないため、茨城県が公表する最新の洪水浸水想定区域図も確認するよう案内しています。
ひたちなか市では洪水ハザードマップに加え、内水ハザードマップも公開されています。市は、地図上で浸水が表示されていない場所でも、実際の降雨状況によって浸水が発生する場合があるとしています。
そのため、「水戸市だから水害が多い」「この市なら大丈夫」と市全体で判断するものではありません。売却する土地・建物の位置ごとに確認することが必要です。
浸水歴を伝えると売れにくくなるのでは?
購入する方の考え方はさまざまです。浸水歴がある時点で候補から外す方もいるでしょう。
一方で、「床下までなのか、床上までなのか」「その後どのような修繕をしたのか」「現在の建物状態はどうなっているのか」まで確認したうえで購入を判断する方もいます。
先ほど紹介した床上浸水住宅の成約事例のように、物件の状況と販売条件が合えば、実際に購入者が見つかったケースもあります。
だからといって、浸水歴を軽く考えるという意味ではありません。
売主側でできるのは、事実を隠すことではなく、購入希望者が判断できない部分をできるだけ減らしておくことです。
○年の大雨で床下まで浸水しました。
その後、床下の清掃・乾燥と○○の修繕を行っています。
当時の工事資料はこちらが残っています。
と説明できれば、少なくとも何が起きたのかは伝えられます。
値下げだけが売却対策ではありません。説明できる材料を整理することも、売却準備の一つです。
査定を頼む前に全部調べる必要はない
ここまで読むと、「資料を全部そろえてからでないと査定を頼めないのでは」と思うかもしれません。そこまで準備する必要はありません。
売却を考え始めた段階で、「何年ごろだったか」「床下か床上か」「修繕した記憶があるか」「当時の資料が残っていそうか」この程度まで分かれば、不動産会社への最初の相談はできます。
分からない部分は分からないまま伝え、必要に応じて後から確認していけばよいでしょう。
むしろ、浸水したことを理由に長く相談をためらうより、現在の建物状態や周辺相場を見てもらい、この家の場合はどのような売り方が考えられるのかを確認するところから始めたほうが、判断しやすくなります。
まとめ
浸水したことがある家でも、売却された実例はあります。
一方で、「浸水住宅だからこのくらい安くすれば売れる」という共通の答えがあるわけではありません。
売却するときに整理したいのは、過去に何が起きたのかと、現在の住宅がどうなっているのかを分けることです。
浸水した範囲、その後の修繕、残っている資料、現在の水害リスク。分かるものから整理しておけば、不動産会社も価格や販売方法、買主への説明について検討しやすくなります。
浸水歴があるからといって、査定を依頼する前から「売れない家」と考えたり、大幅な値下げを決めたりする必要はありません。
事実を伝えたうえで、今の状態を見てもらう。そこから、その家に合った売却方法を考えるのが現実的です。
水戸市・石岡市・鉾田市・ひたちなか市周辺で、過去に床下・床上浸水した住宅の売却を検討している場合は、当時の資料がすべてそろっていなくてもご相談いただけます。
浸水した時期や修繕状況、現在のハザード情報、建物の状態などを確認しながら、査定や売却前に何を整理しておくべきか一緒に考えていきます。
「昔の浸水をどこまで伝えればよいのか」「まず査定だけお願いしてもよいのか」という段階でも構いません。
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