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相続土地国庫帰属制度で国が引き取った土地が最大9割超値下げへ?売れない土地・相続した土地を持つ方が知っておきたいこと
相続した土地について、
「使う予定がない」
「遠方にあって管理できない」
「草刈りや固定資産税の負担だけが続いている」
「売りたいけれど、買い手が見つからない」
このようなお悩みを持つ方は少なくありません。
特に、地方の山林・原野・農地・狭い土地・接道に不安がある土地などは、所有しているだけで管理の負担がかかる一方、すぐに売却できるとは限りません。
こうした中で注目されているのが、相続した土地を一定の条件で国に引き取ってもらえる「相続土地国庫帰属制度」です。
さらに今回、国がこの制度によって引き取った土地について、売却を促すために評価額を大きく引き下げる方針が示され、話題になっています。需要が乏しい土地については段階的に価格を下げ、最終的には当初評価額の7%程度、つまり最大で9割超の引き下げも可能にする方向とされています。
ただし、ここで注意したいのは、これはあくまで「国が引き取った後の土地を売却する際の方針」であり、一般の個人が所有している土地の価値が自動的に下がる、または国に引き取ってもらいやすくなるという話ではないことです。
この記事では、今回の国の方針の背景と、相続した土地・売れにくい土地をお持ちの方が知っておきたいポイントを、わかりやすく解説します。
相続土地国庫帰属制度とは?
相続土地国庫帰属制度とは、相続などによって取得した土地を、一定の条件を満たす場合に国へ引き取ってもらえる制度です。
簡単にいうと、「相続したけれど使い道がなく、今後も管理が難しい土地」を、条件付きで国に帰属させる仕組みです。
ただし、どんな土地でも国が引き取ってくれるわけではありません。
たとえば、次のような土地は、制度の利用が難しい場合があります。
・建物が残っている土地
・境界がはっきりしない土地
・担保権などの権利が設定されている土地
・他人の利用が予定されている土地
・管理に過分な費用や手間がかかる土地
・崖、擁壁、土壌汚染、地中埋設物などの問題がある土地
また、申請には審査があり、承認された場合でも負担金を納める必要があります。
そのため、「売れない土地なら、簡単に国に引き取ってもらえる」という制度ではありません。あくまで、一定の要件を満たした土地について、国への帰属が認められる制度です。
なぜ国が管理する土地の売却促進が必要なのか
相続土地国庫帰属制度は、2023年4月から始まりました。
制度開始後、相続人が手放した土地を国が管理するケースは増えています。国が引き取った土地の中には、面積が小さい土地、形が使いにくい土地、接道に不安がある土地、山林や原野に近い土地など、買い手がつきにくい土地も多く含まれています。
こうした土地を国が持ち続けると、草刈り、見回り、境界確認、近隣対応などの管理コストがかかります。
つまり、国としても「引き取った土地をどう管理するか」「地域や民間で活用できる人にどう引き継ぐか」が大きな課題になっているのです。
今回の価格引き下げ方針は、国が抱える低利用地・未利用地をできるだけ早く処分し、管理負担を減らす狙いがあると考えられます。
新制度・財務省方針で注目される4つのポイント
今回の方針で注目されるポイントは、大きく4つあります。
① 売れにくい土地の価格を段階的に引き下げる方針
需要が乏しい土地について、まず評価額を一定割合引き下げ、それでも買い手がつかない場合には、さらに段階的に価格を下げていく方針が示されています。
報道では、最終的には当初評価額の7%程度まで下げられる、つまり最大で93%程度の引き下げも可能になる方向とされています。
たとえば、当初の評価額が100万円の土地であれば、最終的には7万円程度の水準まで下がる可能性がある、というイメージです。
ただし、ここは誤解しやすいポイントです。
これはあくまで「国が相続土地国庫帰属制度によって引き取った後の土地を、国が売却する際の方針」です。
一般の個人が所有している土地の価格が自動的に下がるわけではありません。また、国に引き取ってもらう際の審査が緩くなる、負担金が安くなる、という意味でもありません。
売主の方にとって大切なのは、「売れにくい土地は、国が管理する場合でも処分が課題になっている」という現実を知り、早めに対策を考えることです。
② 隣地所有者への売却が進みやすくなる可能性
買い手がつきにくい土地でも、隣の土地の所有者にとっては価値がある場合があります。
たとえば、次のようなケースです。
・駐車スペースを広げたい
・庭や通路として使いたい
・不整形な土地をまとめて使いやすくしたい
・将来の建て替えや土地活用に備えたい
・境界や管理の問題を整理したい
このような場合、一般の買主には魅力が少ない土地でも、隣地所有者にとっては購入メリットがあることがあります。
今回の方針では、一定の条件を満たす場合、入札を通さずに直接契約する「随意契約」の活用も示されています。
随意契約とは、簡単にいうと「競争入札ではなく、特定の相手と直接契約する方法」です。
これにより、国が管理する相続土地については、隣接地の所有者が買いやすくなる可能性があります。
この考え方は、一般の土地売却でも参考になります。売れにくい土地ほど、不特定多数の買主を探すだけでなく、隣地所有者や近隣事業者に需要がないかを確認することが大切です。
③ 測量などを省略し、現状のまま売却する方向
通常、不動産を売却する際には、境界確認や測量、場合によっては地下埋設物の調査などが必要になることがあります。
しかし、価格が低く、買い手が限られる土地では、調査費用のほうが売却価格より高くなってしまうこともあります。
そこで、今回の方針では、測量などを行わず、土地の現状を前提に売却する「現況有姿」での処分を進める考えが示されています。
現況有姿とは、簡単にいうと「今ある状態のまま引き渡す」という意味です。
手続きのスピードアップやコスト削減につながる一方で、買主側にとっては注意が必要です。
たとえば、次のようなリスクがあります。
・境界がはっきりしない
・隣地との越境がある
・地中に埋設物がある
・草木や残置物の処理が必要になる
・接道や利用条件に制限がある
・購入後に追加費用が発生する可能性がある
つまり、安く買える可能性がある反面、買主はリスクを理解したうえで判断する必要があります。
不動産会社の立場から見ると、価格だけで判断するのではなく、「その土地を実際に使えるのか」「あとから費用やトラブルが発生しないか」を確認することが非常に重要です。
④ 縦割り行政の限界と、民間の役割
東日本大震災の際には、所有者がわからない土地や建物が多く、復興事業を進めるうえで大きな支障となりました。
その教訓から、相続登記の義務化が進められ、現在では「不動産の所有者を明確にすること」が社会全体の課題として位置づけられています。
また、国はデジタル化を進めることで、未利用地、耕作放棄地、管理されていない山林、空き家などの問題にも対応しようとしています。こうした流れ自体は、将来的な不動産管理の改善につながる可能性があります。
しかし、現実には課題も少なくありません。
「国が引き取ってくれる制度ができたのだから、売れない土地や価値の下がった不動産も何とかなるのではないか」と期待した方もいるかもしれません。
ところが、実際には、国がすべての不動産を無条件で引き取ってくれるわけではありません。むしろ、管理に大きな負担がかかる土地や、利用価値の低い地方の不動産については、簡単には受け入れられないのが現状です。
国としても、管理しやすく、将来的に活用や売却が見込める不動産であれば扱いやすい一方で、維持管理費だけがかかる「負の不動産」については、慎重にならざるを得ません。
また、固定資産税は市町村ごとに課税されるため、空き家や未利用地の問題は、国・自治体・所有者の間で「誰が負担するのか」という難しい問題にもつながっています。
制度は整いつつありますが、行政だけで相続不動産の問題をすべて解決することは簡単ではありません。最終的には、売却、活用、管理、解体など、民間の力を使いながら現実的な出口を探していく必要があります。
一方で、相続不動産に悩む方が増えるなかで、その不安につけ込む悪質な業者も出てきています。
「すぐに引き取ります」「必ず処分できます」といった言葉だけを信じてしまうと、思わぬ費用負担やトラブルにつながることもあります。
これからの時代は、行政の制度を正しく理解したうえで、信頼できる専門家や不動産会社を見極めることが、相続不動産を守るうえでますます重要になっていくでしょう。
一般の土地所有者にどんな影響があるのか
今回の方針は、直接的には「国が相続土地国庫帰属制度で引き取った土地」をどう売却・活用するかという話です。
そのため、今すぐ一般の土地売買の相場が大きく変わるというわけではありません。
ただし、売れにくい土地を所有している方にとって、今回の動きは決して無関係ではありません。
なぜなら、国でさえも「買い手がつきにくい土地の管理・処分」に苦労しているということが、今回の方針から見えてくるからです。
土地は、持っていれば必ず資産になるとは限りません。
特に、次のような土地は、相続後に困りやすい傾向があります。
・使う予定がない土地
・遠方にあり管理できない土地
・草刈りや近隣対応の負担がある土地
・接道に問題がある土地
・境界がはっきりしない土地
・山林、原野、農地、傾斜地など活用方法が限られる土地
・固定資産税や管理費だけがかかっている土地
特に、水戸市郊外や石岡市・鉾田市などのエリアでは、親世代が購入したものの使い道のない分譲跡地、広い農地、山林、管理されていない空き地などについてご相談をいただくことがあります。
こうした「売りたくても買い手が見つかりにくい土地」については、相続が発生してから慌てるのではなく、早めに現状を確認し、売却・活用・管理・国庫帰属制度の利用可能性を整理しておくことが大切です。
「国に引き取ってもらえば安心」と考える前に確認したいこと
相続土地国庫帰属制度は、使い道のない土地を相続した方にとって有効な選択肢の一つです。
しかし、万能な制度ではありません。
制度を利用するには、土地の状態や権利関係について一定の条件を満たす必要があります。建物が残っている場合は原則として対象外ですし、境界が不明確な土地、管理に大きな費用がかかる土地なども難しい場合があります。
また、申請しても必ず承認されるわけではありません。承認された場合でも、負担金の納付が必要です。
そのため、相続した土地については、いきなり国庫帰属制度だけを考えるのではなく、次の順番で検討すると整理しやすくなります。
まずは売却できる可能性を確認する
土地によっては、一般の買主には売りにくくても、隣地所有者、近隣事業者、資材置き場を探している方、家庭菜園や駐車場として使いたい方などに需要がある場合があります。
特に、隣地所有者への確認は重要です。
単独では使いにくい土地でも、隣地と一体になれば活用しやすくなることがあります。
土地の問題点を把握する
売却や国庫帰属を考える前に、土地の状態を確認しておきましょう。
確認したい主なポイントは、次のとおりです。
・登記簿上の所有者は誰か
・相続登記は済んでいるか
・境界は分かるか
・隣地との越境はないか
・建物や残置物はないか
・接道はあるか
・農地や山林などの制限はないか
・固定資産税はいくらかかっているか
・草刈りや管理の負担はどの程度か
これらを整理することで、売却、活用、国庫帰属、保有継続のどれが現実的か判断しやすくなります。
家族間で早めに方針を決める
相続した土地は、家族間で話し合いが進まないまま放置されることがあります。
しかし、時間が経つほど、相続人が増えたり、連絡が取りにくくなったり、管理状態が悪化したりすることがあります。
特に、使う予定のない土地は、早めに方針を決めることが大切です。
たとえば、次のような選択肢があります。
・売却する
・隣地所有者に相談する
・貸す、活用する
・管理を続ける
・国庫帰属制度を検討する
・家族内で引き継ぐ人を決める
「まだ大丈夫」と思っているうちに、草木が伸びたり、近隣から苦情が入ったり、相続関係が複雑になったりすることもあります。
早めに動くことで、選択肢を残しやすくなります。
売れにくい土地でも、早めの相談で選択肢が広がる
売れにくい土地だからといって、すぐにあきらめる必要はありません。
土地の場所、面積、道路状況、周辺環境、隣地の利用状況によっては、思わぬ需要が見つかることもあります。
一方で、売却が難しい土地の場合は、早い段階で課題を把握し、費用をかけるべきかどうかを慎重に判断することも大切です。
たとえば、測量をすれば売れる可能性が高まる土地もありますが、測量費用をかけても売却が難しい土地もあります。
また、農地や山林、市街化調整区域の土地などは、法律上の制限によって買主や利用方法が限られる場合があります。
今回の財務省の方針は、国としても「売れにくい土地をどう地域に戻すか」が大きな課題になっていることを示しています。
これは、一般の土地所有者にとっても同じです。
「いつか使うかもしれない」と思って放置している土地が、将来の相続で家族の負担になることもあります。
だからこそ、元気なうちに、また相続が発生した早い段階で、土地の整理を進めておくことが重要です。
まとめ
相続土地国庫帰属制度によって国が引き取った土地について、売却を促すために評価額を大きく引き下げる方針が示されています。
背景には、国が管理する相続土地が増え、売却や活用が進みにくい土地の管理コストが課題になっていることがあります。
ただし、今回の方針は、あくまで「国が引き取った後の土地を売却する際のルール」に関するものです。
一般の個人が所有している土地の価格が自動的に下がるわけではなく、国庫帰属制度の審査が簡単になるという意味でもありません。
今回の動きから分かるのは、売れにくい土地や使い道のない土地は、国にとっても個人にとっても「管理の問題」になりやすいということです。
相続した土地を持て余している場合は、早めに現状を確認し、売却できる可能性、隣地所有者への相談、活用方法、国庫帰属制度の利用可能性などを整理しておきましょう。
土地は、状況によって取れる選択肢が大きく変わります。
放置する前に、まずは専門家に相談することが大切です。
相続した土地、使っていない土地、売れるか不安な土地でお困りではありませんか。
「遠方にあって管理できない」
「固定資産税だけ払い続けている」
「相続したが使い道がない」
「草刈りや近隣対応が負担になっている」
「売却できるのか、国庫帰属制度を検討すべきか知りたい」
このようなお悩みがある方は、まずは一度ご相談ください。
ランドワークスでは、水戸市・石岡市・鉾田市を中心に、相続不動産、空き家、使い道に困る土地のご相談を承っています。
売却できる可能性があるのか、どのような手続きが必要なのか、国庫帰属制度を検討すべきかなど、状況に合わせてわかりやすくご案内いたします。
無理に売却をすすめるのではなく、土地の状態やご家族の事情を確認しながら、現実的な選択肢を一緒に整理いたします。
相続した土地の整理や売却でお悩みの方は、お気軽にランドワークスまでご相談ください。
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