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ハザードマップの種類と見方|茨城で住まいを選ぶ前に知っておきたい基礎知識

住まい探しの際に「ハザードマップを確認しましょう」と言われても、実際に開いてみると、色分けされた地図や聞き慣れない言葉が並んでいて、どこを見ればよいのか分かりにくいと感じたことはないでしょうか。

ハザードマップは、1種類だけではありません。洪水、内水(雨水出水)、土砂災害、津波、高潮など、災害の種類ごとに地図や情報が分かれています。

地図ごとに想定している災害や降雨条件、色分けの基準が異なるため、「1枚だけ見れば十分」とは限りません。大切なのは、検討している場所に関係する地図を複数確認し、それぞれの凡例や作成時点まで見ることです。

この記事では、ハザードマップの主な種類と見方を整理し、茨城県内で住まいを探す際の確認方法や、不動産取引との関係を分かりやすく紹介します。

※自治体の公開状況・サービス内容は、2026年8月28日時点で確認した情報です。更新されることがあるため、利用時は各自治体の最新ページをご確認ください。


そもそもハザードマップとは

ハザードマップとは、災害が起きたときに被害が想定される区域やその程度、避難場所などの情報を地図上に示したものです。自治体によっては、避難経路や防災情報の入手方法なども掲載されています。

目的は、平常時から自宅や検討中の場所にどのような災害リスクがあるかを知り、災害が迫ったときの避難先や行動をあらかじめ考えておくことです。

洪水、津波、土砂災害などでは、想定区域を作成・指定する主体や法的な根拠が異なります。そのため、同じ「ハザードマップ」という呼び方でも、示される内容や確認すべき点は同じではありません。


ハザードマップの主な種類

代表的なハザードマップには、次のようなものがあります。

種類主に示している内容主な制度・資料
洪水ハザードマップ河川の氾濫(外水氾濫)による浸水範囲・浸水深水防法
内水(雨水出水)ハザードマップ下水道や排水路の能力を超えた雨水による浸水範囲・浸水深水防法など
高潮ハザードマップ台風などに伴う高潮による浸水範囲・浸水深・継続時間水防法
津波ハザードマップ地震に伴う津波の浸水想定範囲・浸水深など津波防災地域づくりに関する法律など
土砂災害ハザードマップ崖崩れ・土石流・地すべりの警戒区域など土砂災害防止法
ため池ハザードマップため池が決壊した場合の浸水範囲・到達時間など農林水産省の作成手引き、防災重点農業用ため池制度など
地震・液状化マップ想定地震による震度分布、液状化の可能性など国・自治体の地震被害想定調査など

洪水・内水(雨水出水)・高潮・津波は、まとめて「水害ハザードマップ」と呼ばれることがあります。ただし、すべての種類が、すべての市町村で同じように公開されているわけではありません。地図が公開されていても、市内全域がシミュレーションの対象とは限らない点にも注意が必要です。

まずは検討している市町村のホームページで、どの種類の地図が公開されているか、作成時点と対象範囲を確認しましょう。

参考資料:国土交通省「水害ハザードマップ作成の手引き」

参考資料:農林水産省「農業用ため池に関するマニュアル・事例集等」


ハザードマップの見方

洪水ハザードマップの見方:浸水深と想定する雨の規模

洪水ハザードマップで最初に確認したいのが、色分けで示される「浸水深(浸水した場合に想定される水の深さ)」です。

国の手引きでは、浸水深について0.5m未満、0.5m以上3m未満、3m以上5m未満、5m以上などの標準的な区分・配色が示されています。一般的には、0.5m未満は1階の床下、0.5m以上3m未満は1階の床上、3m以上5m未満は2階まで浸水する程度をイメージする目安として使われます。さらに10m、20mなどの区分が示される地図もあります。

ただし、紙面の用途や自治体の地図によって、配色や区分が異なる場合があります。「色が濃いほど深い」と思い込まず、必ずその地図の凡例で浸水深を確認してください。

2015年の水防法改正では、想定し得る最大規模の降雨を前提とする洪水浸水想定区域の制度が整備され、河川管理者による指定・公表が進められました。地図によっては、河川整備の目標となる「計画規模」と「想定最大規模」の両方が掲載されています。どの降雨条件に基づく図かを、タイトルや凡例、注記で確認しましょう。

また、「家屋倒壊等氾濫想定区域」や「浸水継続時間」が別図で示されている場合があります。前者は激しい氾濫流や河岸侵食により家屋の倒壊・流失が想定される区域、後者は浸水が続く時間の目安です。浸水深だけでなく、早期の立ち退き避難が必要とされる区域かどうかも確認してください。

参考資料:国土交通省「洪水浸水想定区域図・洪水ハザードマップ」

内水(雨水出水)ハザードマップの見方:洪水とは別に確認

内水(雨水出水)ハザードマップは、下水道や排水路などの排水能力を超えた雨水が地表にあふれる「内水氾濫」を想定した地図です。河川の氾濫を扱う洪水ハザードマップとは、対象とする現象が異なります。

浸水範囲や深さは洪水ハザードマップと似た色分けで示されますが、想定する降雨や排水施設、シミュレーションの対象範囲は自治体ごとに異なります。同じ場所でも、洪水と内水で表示結果が変わることがあります。

市町村によって、内水ハザードマップや雨水出水浸水想定区域の公開状況は異なります。また、公共下水道の排水区域など、地図の対象が市内の一部に限られる場合もあります。地図が見当たらないときや対象範囲が分からないときは、市町村の担当窓口に確認し、過去の浸水実績図などもあわせて見るとよいでしょう。

参考資料:国土交通省「浸水想定区域制度」

土砂災害ハザードマップの見方:警戒区域と特別警戒区域

土砂災害ハザードマップでは、崖崩れ(急傾斜地の崩壊)・土石流・地すべりのおそれがある区域が、主に次の2段階で示されます。

  • 土砂災害警戒区域(イエローゾーン):土砂災害が発生した場合に、住民等の生命または身体に危害が生じるおそれがある区域
  • 土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン):建築物が損壊し、住民等の生命または身体に著しい危害が生じるおそれがある区域

レッドゾーンでは、一定の開発行為に許可が必要になるほか、建築物の構造規制などが設けられています。

茨城県内では県北部に限らず、崖や斜面のある場所に警戒区域が指定されています。一見平坦に見える市町村でも、地域によって急傾斜地の指定があるため、「この市は平坦だから大丈夫」と判断せず、検討する住所ごとに確認することが大切です。

参考資料:国土交通省「土砂災害ハザードマップ作成ガイドライン」


茨城県内でハザードマップを確認する方法

茨城県内でハザードマップを確認する主な方法は、次のとおりです。

  • 重ねるハザードマップ:住所を検索し、洪水・内水・土砂災害・高潮・津波などの情報を地図上に重ねて、大まかな傾向を確認できます。
  • わがまちハザードマップ:市町村が公開しているハザードマップ(PDFやWeb版)へのリンクを探せます。
  • 市町村のホームページ・窓口:最新の地図、作成時点、対象範囲、内水ハザードマップの有無などを確認できます。
  • 耳で聴くハザードマップ:スマートフォンなどを使い、現在地の災害リスクを音声や多言語で確認できる茨城県のサービスです。

まず「重ねるハザードマップ」で大まかな傾向をつかみ、次に市町村が作成した最新の地図で、凡例・避難場所・作成時点・対象範囲を確認する流れが分かりやすいでしょう。

参考資料:国土交通省・国土地理院「ハザードマップポータルサイト」

参考資料:茨城県「耳で聴くハザードマップの導入について」

水戸市・石岡市・鉾田市・ひたちなか市の確認先

2026年8月28日時点で、各市の公式サイトでは次の情報を確認できます。公開内容は更新されるため、実際に利用するときは最新ページをご覧ください。

水戸市

洪水・土砂災害・津波の冊子版とWeb版が公開されています。Web版では複数の地図を重ねられるほか、過去の水害履歴も確認できます。

参考資料:水戸市「水戸市WEBハザードマップ(洪水・土砂災害・津波)」

石岡市

霞ヶ浦・恋瀬川が氾濫した場合の浸水想定区域や、土砂災害警戒区域などをまとめた防災ハザードマップが公開されています。

参考資料:石岡市「石岡市防災ハザードマップ」

鉾田市

Web版で洪水・土砂災害・津波の情報を確認できます。さらに、2026年7月には茨城県による高潮浸水想定区域の指定が案内されているため、海岸や河川に近い地域では高潮の最新情報もあわせて確認しましょう。

参考資料:鉾田市「鉾田市WEB版ハザードマップ」

参考資料:鉾田市「高潮浸水想定区域が指定されました」

ひたちなか市

洪水・内水・雨水出水浸水想定区域・土砂災害・津波・液状化など、種類ごとのページがまとめられています。内水については、地図の対象範囲も確認してください。

参考資料:ひたちなか市「ハザードマップ等」


住まい探しとハザードマップ:不動産取引で説明される内容

ハザードマップは、住まい探しの制度面にも関係しています。

宅地建物取引業法施行規則の改正により、2020年8月28日から、不動産取引時の重要事項説明で、水防法に基づく洪水・雨水出水(内水)・高潮のハザードマップを提示し、対象物件のおおむねの位置を示すことが義務づけられました。説明には、市町村が配布またはホームページで公開している、入手可能な最新の地図を使うこととされています。

また、地図上で浸水想定区域に入っていないことだけを理由に、「水害リスクがない」と誤解させないよう配慮することも示されています。

なお、この改正による水害ハザードマップの説明対象は、洪水・雨水出水・高潮の3種類です。津波や土砂災害の地図が、この項目に含まれるわけではありません。ただし、確認しなくてよいという意味ではないため、住まい選びでは地域に関係する災害情報を幅広く見ておきましょう。

不動産会社から説明を受けるだけでなく、検討段階で自分でも地図を確認しておくと、避難方法や建物の配置、保険、購入後の備えについて質問しやすくなります。

参考資料:国土交通省「不動産取引時において、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明を義務化」


ハザードマップを見るときの注意点

最後に、ハザードマップを活用するときに知っておきたい注意点を整理します。

  • 想定と実際の被害は同じとは限らない:ハザードマップは一定の条件に基づくシミュレーションです。想定を上回る雨や、対象外の小河川・排水路などにより、表示と異なる被害が起こることがあります。
  • 色がない場所も「リスクゼロ」ではない:色が塗られていない理由が、浸水しないためとは限りません。シミュレーションの対象外である場合もあるため、地図の注記や対象範囲を確認しましょう。
  • 複数の災害を確認する:洪水・内水・土砂災害・高潮・津波などは別の地図です。検討地に関係する地図を重ねて確認します。
  • 避難先と経路も見る:避難所や避難場所が、すべての災害に対応しているとは限りません。災害の種類ごとの避難先、そこまでの経路、夜間や大雨時に通れるかを考えておきましょう。
  • 更新日と過去の災害記録を確認する:最新のハザードマップに加え、自治体が公開する浸水実績図、土地の高低差、周辺の水路なども参考になります。
  • 災害時はリアルタイム情報を見る:ハザードマップは平常時の備えに使う資料です。大雨や台風が近づいたときは、自治体の避難情報や気象庁・河川管理者の最新情報を確認してください。

ハザードマップは、その場所の安全・危険を一言で断定するためのものではありません。どのような災害が想定され、どのように備えるかを考えるための資料として活用しましょう。


まとめ

ハザードマップには、洪水、内水(雨水出水)、高潮、津波、土砂災害など、災害の種類ごとに複数の地図があります。

洪水ハザードマップでは、浸水深だけでなく、想定している雨の規模、家屋倒壊等氾濫想定区域、浸水継続時間なども確認しましょう。内水ハザードマップでは対象範囲を、土砂災害ハザードマップではイエローゾーンとレッドゾーンの違いを確認することが大切です。

茨城県内では、国のハザードマップポータルサイト、市町村の公式地図、耳で聴くハザードマップなどを利用できます。水戸市・石岡市・鉾田市・ひたちなか市でも公開内容が異なるため、検討する住所ごとに最新情報を確認してください。津波災害警戒区域、土砂災害警戒区域以外にも、近隣に古い擁壁や、土留めブロック等、1メートル程度の高低差でも、危険性を持っている箇所も多々ありますので、普段から散歩などで観察することも大切です。

また、2020年の宅地建物取引業法施行規則改正により、不動産取引時には、水防法に基づく洪水・雨水出水・高潮のハザードマップ上で対象物件のおおむねの位置が説明されます。説明を受けるだけでなく、自分でも事前に確認することが、納得できる住まい選びにつながります。


茨城への住み替えを検討する中で、「どのハザードマップを見ればよいか分からない」「検討している地域について、どの情報を確認すればよいか知りたい」という段階でも構いません。

ランドワークスは、地元・茨城で30年以上、不動産に携わってきました。ハザードマップで確認できる情報とあわせて、土地の高低差や周辺環境、生活のしやすさなど、現地で確認したいポイントも丁寧にご案内します。

ただし、災害の発生や被害を断定することはできません。自治体の最新情報や現地の状況も確認しながら、購入・売却・住み替えを一緒に考えていきます。

物件の売却、購入のご相談はランドワークスまで。現在のお住まいの売却を含め、茨城への住み替えを検討し始めた段階から、お気軽にご相談ください。