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国が引き取った相続土地を民間売却へ|最大93%の価格修正とは?相続土地の手放し方【2026年版】
結論からいうと、相続土地国庫帰属制度によって国が引き取った土地を、民間へ売却しやすくする仕組みが2026年に具体化しています。
ただし、これは「相続した土地を国へ渡せば、国が代わりに高く売ってくれる」という制度ではありません。また、すべての国有地が一律に大幅値下げされるわけでもありません。
今回の動きは、相続土地国庫帰属制度によって国の所有となったものの、買い手が見つかりにくい土地について、売却方法や価格評価を実際の需要に合わせて見直そうとするものです。
現在、相続した土地を所有している方にとって大切なのは、「売れそうにないから」と最初から国庫帰属だけに絞らないことです。まずは民間で売却できる可能性を確認し、そのうえで選択肢を比較しましょう。
水戸市・石岡市・鉾田市・ひたちなか市周辺でも、「使う予定がない」「草刈りや固定資産税の負担を減らしたい」「売れないと思ってそのままにしている」といった土地は、早めに手放し方を整理しておくことが大切です。
国が引き取った相続土地を民間売却するとは?
今回対象となっているのは、主に「相続土地国庫帰属制度」を利用して国の所有となった土地です。
相続土地国庫帰属制度とは、相続や遺贈によって取得した土地について、一定の要件を満たした場合に国へ引き渡すことができる制度です。2023年4月27日に始まりました。
法務局による審査を受け、承認後に負担金を納付すると、土地の所有権が国へ移ります。農用地や森林以外の土地については、原則として財務局が管理・処分を担当します。
国へ引き渡した後にその土地が売却されても、元の所有者に売却代金が支払われる仕組みではありません。
「所有者から国への国庫帰属」と「国から民間への売却」は、まったく別の手続きです。
国庫帰属後の主な流れ
- 相続等で土地を取得した人が法務局へ申請する
- 法務局が書類審査や現地調査を行う
- 承認後、申請者が負担金を納付する
- 土地の所有権が国へ移る
- 財務局などが土地を管理する
- 活用・売却が可能な土地について買受け希望者を募集する
- 条件が合えば、一般競争入札や随意契約によって民間へ売却する
「随意契約」とは、入札によらず、一定の条件を満たす相手と個別に契約する方法です。
相続土地国庫帰属制度で国が引き受ける土地が増えている
財務省が2026年6月17日に公表した資料によると、2026年3月末時点の国庫帰属件数は2,606件です。
このうち、財務局が引き受けた宅地と「その他」の土地は、合わせて1,586件でした。農用地は農林水産省、森林は林野庁が管理するため、土地の種類によって所管が異なります。
| 土地の区分 | 帰属件数(2026年3月末) |
|---|---|
| 宅地 | 948件 |
| 農用地 | 849件 |
| 森林 | 171件 |
| その他 | 638件 |
| 合計 | 2,606件 |
※法務省の統計は随時更新されます。本稿では、売却施策と区分別内訳を確認できる財務省資料に合わせ、2026年3月末時点の数字を掲載しています。最新値は法務省の公式ページをご確認ください。
財務省の2026年度予算執行調査資料では、2026年3月末時点で、財務局が管理する相続土地国庫帰属財産の売却実績は0件とされています。
これはあくまで「2026年3月末」という基準日時点の数字です。その後も売却が一件もないことを示すものではありません。
国庫帰属した土地には、たとえば次のような条件を持つものがあります。
- 道路に接していない
- 土地が細長い、または傾斜がある
- 周辺の土地需要が少ない
- 面積が小さく、単独では利用しにくい
- 測量や境界確認に費用がかかる
- 売却価格に対して処分準備の費用が大きくなる可能性がある
国が引き取れる要件を満たしていることと、市場で売りやすいことは同じではありません。
2026年から民間売却の仕組みはどう変わる?
隣接地の所有者へ売却しやすくする
単独では利用しにくい土地でも、隣接地の所有者にとっては、駐車場、庭、家庭菜園、通路、資材置場などとして価値が生まれる場合があります。
買受け希望者が隣接地所有者だけである場合などには、随意契約を活用する方針が示されています。
また、隣接地所有者以外の買受け希望者が1者のみで、予定価格が100万円以下となる場合にも、一定の条件のもとで随意契約を利用する考え方が示されています。
測量などを行わず「現状有姿」で売却する
「現状有姿」とは、大規模な整備などをせず、基本的に現在の状態で引き渡す方法です。
国庫帰属した土地については、売却前に測量、境界確定、地下埋設物調査などを行わずに売却する仕組みが導入されます。
そのため、土地の境界や地中の状況などに関する一定のリスクを、買主側が負担する条件となる場合があります。
一定の土地では簡易評価を利用する
一定規模以下の土地については、不動産鑑定士による鑑定評価ではなく、財務局職員による簡易な評価方法を利用する仕組みが示されています。
| 土地の種類 | 簡易評価の対象基準 |
|---|---|
| 宅地 | 1,000平方メートル以下、かつ概算評価額5,000万円以下 |
| 宅地以外 | 概算評価額3,000万円以下 |
基準を超える場合や一般競争入札を行う場合などには、鑑定評価が必要になることがあります。
「最大93%の価格修正」とは?
ニュースなどで「国が土地を最大93%値下げして売却する」と受け取れる表現を目にすることがあります。
しかし、最初からすべての土地を93%値下げする制度ではありません。
財務省資料の評価例では、当初評価を100とした場合、現状有姿で売却することによるリスクなどを考慮して、まず70まで価格を修正します。
その後、買受け希望者が現れない場合には、一定期間ごとに段階的な価格修正を行う例が示されています。

※ただし、これは財務省資料で示された評価例です。すべての土地が最終的にこの価格になるわけではなく、「全国の土地価格が93%下がる」という意味でもありません。
なぜ国は価格を修正してまで売却するのか
国庫へ帰属した土地は、処分されるまで国が管理します。
草刈り、巡回、柵や看板の設置などには費用がかかるため、管理する土地が増えれば、管理費や事務負担も大きくなります。
そのため、長期間保有し続けるだけでなく、地域で活用できる人へ土地を引き継ぐことで、管理コストの抑制や土地の有効活用につなげる考え方があります。
単純な「安売り」というより、土地の利用条件やリスク、実際の需要を価格に反映する仕組みと考えたほうが分かりやすいでしょう。
国有地の価格修正で、一般の土地相場も下がる?
相続土地国庫帰属制度による国有地の価格修正によって、水戸市・石岡市・鉾田市・ひたちなか市などの土地価格が一律に下がるわけではありません。
国庫帰属した土地には、無道路地、狭小地、傾斜地など、一般市場では売却しにくい条件を持つ土地も含まれます。
道路に接し、住宅を建てられる一般的な宅地と、道路に接していない細長い土地では、利用方法も購入を検討する人も異なります。
したがって、国有地の売却価格を、周辺の一般的な住宅地の相場とそのまま比較することは適切ではありません。
一方、近隣に条件の似た国有地があり、それが低い価格で売却された場合には、個別の査定で参考情報の一つとなる可能性はあります。
実際の価格は、所在地、面積、接道状況、土地の形状、建築の可否、周辺需要などを踏まえて判断します。
今回の動きから相続土地の所有者が学べること
今回の制度見直しによって、現在所有している土地の価格が自動的に下がるわけではありません。
一方で、国が土地を売却する場合でも、価格だけでなく「誰が、どのように利用できるか」という需要との組み合わせが重要であることが分かります。
相続した土地では、まず次の点を確認してみましょう。
- 道路に接しているか
- 建物を建てられる土地か
- 上下水道などを利用できるか
- 境界を確認できるか
- 農地や山林を含んでいるか
- 土地の形状や高低差に問題がないか
- 近隣や隣接地所有者からの需要が考えられるか
- 草木や残置物の撤去にどの程度の費用がかかるか
固定資産税評価額と売却価格は同じではない
固定資産税評価額は、固定資産税などを計算するために使用される評価額です。
実際の売却価格は、接道状況、土地の形、上下水道、建築の可否、周辺需要など、さまざまな条件によって変わります。
そのため、「固定資産税評価額が300万円だから、300万円前後で売れる」とは限りません。
買主を広く探すだけでは売れない土地もある
一般的な住宅用地として需要が少なくても、隣接地所有者、家庭菜園をしたい人、資材置場を探している事業者などに需要が見つかる場合があります。
重要なのは、土地の特徴に合わせて「誰にとって価値がある土地なのか」を考えることです。
売却前に費用をかけすぎない
草刈り、伐採、測量、造成、残置物撤去などを行えば、土地の状態は分かりやすくなります。
しかし、支払った費用をそのまま売却価格へ上乗せできるとは限りません。
まず現状のままで査定を受け、どの作業が売却に有効なのかを確認してから費用をかけることをおすすめします。
民間売却と相続土地国庫帰属制度の違い
| 比較項目 | 民間売却 | 相続土地国庫帰属制度 |
|---|---|---|
| 目的 | 買主へ土地を売却する | 土地を国へ引き渡す |
| 売却代金 | 条件が合えば受け取れる | 受け取れない |
| 対象 | 原則として所有する不動産 | 相続・遺贈で取得した土地 |
| 建物 | 建物付きでも売却を検討できる | 建物がある土地は申請できない |
| 主な費用 | 仲介手数料、測量費、解体費などが生じる場合がある | 審査手数料、承認後の負担金など |
| 条件 | 買主と条件が合えば売買できる | 法律上の要件を満たす必要がある |
| 期間 | 需要や売却条件によって異なる | 法務局による審査が必要 |
申請時には、土地一筆あたり1万4,000円の審査手数料が必要です。
承認された場合には、10年分の標準的な管理費用を考慮した負担金を納付します。原則20万円が基本となる場合がありますが、土地の種類や面積によって異なります。
制度や金額は変更される可能性があるため、実際に申請する際は法務局の最新情報をご確認ください。
建物が残っている土地は国庫帰属できる?
建物がある土地は、相続土地国庫帰属制度へ申請できません。
そのため、建物付きの実家について国庫帰属を検討する場合は、建物の撤去が必要になります。
ただし、建物を解体したからといって、必ず国庫帰属が認められるわけではありません。
解体後に建物の基礎、浄化槽、井戸、大量の廃棄物などが残っていたり、土壌汚染の疑いがあったりする場合には、審査へ影響する可能性があります。崖、擁壁、境界争いなどにも注意が必要です。
解体する前に確認を
解体費を支払った後で国庫帰属できないことが分かると、土地の管理負担と解体費の両方が残る可能性があります。
建物を壊す前に、
- 建物付きのまま民間で売却できるか
- 解体すると売却しやすくなるか
- 国庫帰属の要件を満たせそうか
を比較しておきましょう。
相続放棄をすれば土地だけ手放せる?
相続放棄は、不要な土地だけを選んで放棄する制度ではありません。
原則として、預貯金、建物、土地、借金などを含む相続財産について、相続人としての権利義務をまとめて放棄する手続きです。
また、原則として、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所で手続きを行う必要があります。
相続放棄を検討している場合は、不動産の売却や処分を進める前に、弁護士や司法書士などの専門家へ相談することをおすすめします。
国庫帰属の前に民間売却を確認したい理由
「どうせ売れないから国へ引き取ってもらおう」と考える方もいるかもしれません。
しかし、実際には次の順番で可能性を確認すると、費用や手間を抑えて土地を手放せることがあります。
- 不動産会社へ現状のまま査定を依頼する
- 通常の仲介で売却できる可能性を確認する
- 不動産会社による買取を検討する
- 隣接地所有者への売却可能性を調べる
- 自治体の空き家・空き地バンクなどを確認する
- 民間での処分が難しい場合に国庫帰属を検討する
国が引き取った土地の売却先としても、隣接地所有者が想定されています。
そのため、国庫帰属の審査手数料や負担金を支払う前に、現在の所有者自身が隣接地への売却を検討する価値はあります。
ただし、隣接地所有者へ直接交渉すると、価格、境界、過去の管理状況などをめぐって話が複雑になる場合があります。
不動産会社など第三者を介して、購入意向や条件を整理する方法も選択肢の一つです。
隣接地所有者への売却を検討しやすい土地
次のような土地では、隣接地所有者への売却が有力な選択肢となる場合があります。
- 面積が小さい、または土地の幅が狭い
- 道路に接しておらず、単独利用が難しい
- 隣接する住宅と一体で使うと利用価値が高まる
- 隣接地側からでないと管理しにくい
- 駐車場や庭などとして利用できる
第三者を介することで、価格や境界、契約条件について整理しやすくなる場合があります。
水戸市・石岡市・鉾田市・ひたちなか市周辺で確認したいこと
水戸市
市街地の住宅地と郊外では、土地需要が異なります。
用途地域、接道、上下水道、土地の形状などを確認し、住宅用地、駐車場、隣接地との一体利用など、複数の可能性を検討します。
市街化調整区域では、建築できる条件が限られる場合があるため、個別の確認が必要です。
ひたちなか市
住宅地として一定の需要がある地域でも、敷地延長、私道、越境、道路幅などによって売却のしやすさは変わります。
小さな土地であっても、隣接する住宅の駐車場や庭として利用できる場合があります。
石岡市
石岡駅周辺と八郷地区などでは、想定される土地の利用方法や購入希望者の層が異なります。
宅地とともに農地、山林、倉庫、未登記建物などを相続した場合は、すべてを一括で売却する方法だけでなく、土地ごとに処分方法を分けることも検討します。
農地については、農地法上の手続きが必要となる場合があります。
鉾田市
海に近い土地や広い庭、家庭菜園ができる土地などは、利用目的によって購入希望者が見つかる場合があります。
一方、市街化調整区域、農地、私道、井戸、浄化槽、境界などの条件は事前に確認しておきたいポイントです。
「地方の古い土地だから売れない」と最初から決めつけず、誰にとって、どのような利用価値があるのかを調べることが大切です。
相続では、内容に応じて専門家を使い分ける
相続では、一人の専門家だけですべての問題を解決できるとは限りません。
相談内容によって、適した専門家は異なります。
- 不動産会社:土地・建物の査定、売却、買取、活用方法の検討
- 司法書士:相続登記などの登記手続き
- 税理士:相続税、譲渡所得など税務に関する相談
- 弁護士:相続人間の紛争、遺産分割をめぐる法的問題など
- 土地家屋調査士:境界確認、測量、建物の表示登記など
特に相続財産の中で不動産の割合が大きい場合は、相続後に「誰が取得するか」だけでなく、「その不動産を今後使うのか、売るのか、維持するのか」まで考えることが重要です。
不動産の処分や活用が大きな課題となっている場合は、早い段階で不動産会社へ相談し、必要に応じて司法書士や税理士などと連携しながら進める方法があります。
相続した土地を手放すための具体的な手順
STEP1 土地の名義を確認する
登記事項証明書を取得し、現在の名義人を確認します。
亡くなった方の名義のままであれば、原則として相続登記を行ったうえで売却手続きを進めます。
STEP2 相続人と売却方針を共有する
共有名義の場合、土地全体の売却には共有者間での合意が必要です。
売却価格だけでなく、測量、草刈り、解体などにかかる費用についても話し合っておきましょう。
STEP3 資料を集める
固定資産税の納税通知書、登記識別情報、公図、地積測量図、過去の売買契約書、境界確認書などを確認します。
すべての資料がそろっていなくても、不動産会社への相談は可能です。
STEP4 現地の状況を確認する
道路、境界標、高低差、雑草、樹木、残置物、建物、井戸、浄化槽などを確認します。
遠方に住んでいる場合は、不動産会社へ現地確認を相談する方法もあります。
STEP5 現状のまま査定を受ける
草刈り、伐採、測量、造成、解体などを行う前に、まず査定を受けましょう。
「何もしない場合」「最低限の整備をした場合」「建物を解体した場合」などを比較すると判断しやすくなります。
STEP6 手取り額と負担額を比較する
民間売却では、仲介手数料、測量費、登記費用、解体費、残置物撤去費、税金などを確認します。
国庫帰属を検討する場合は、審査手数料、負担金、必要に応じた解体費なども含めて比較します。
STEP7 民間売却が難しい場合に国庫帰属を検討する
通常の仲介、買取、隣接地への売却などが難しい場合には、相続土地国庫帰属制度を選択肢として検討します。
大きな費用をかける前に、法務局へ申請要件を確認しておくことが大切です。
まとめ
国は、相続土地国庫帰属制度によって引き取った土地の増加を受け、民間への売却を進める仕組みを整えています。
主なポイントは次のとおりです。
- 隣接地所有者などへの随意契約を活用する
- 一定の条件では、隣接地所有者以外との随意契約も活用する
- 測量や境界確定などを行わない現状有姿での売却を導入する
- 一定規模以下の土地には簡易な評価方法を利用する
- 買受け希望者がいなければ、段階的に評価額を修正する
- 財務省資料の評価例では、当初評価から最大93%低い水準まで修正するケースが示されている
- すべての土地が一律に93%値下げされるわけではない
- 財務省資料では、2026年3月末時点の財務局引受件数は1,586件、売却実績は0件とされている
今回の動きは、一般の相続土地の価格が一律に下がることを意味するものではありません。
むしろ、国が土地を処分する場合にも時間や管理費がかかることから、現在所有している土地については、早めに売却可能性を調べておくことが重要だといえます。
国庫帰属を申し込む前に、通常の仲介、買取、隣接地への売却など、民間で利用できる方法を一度比較してみましょう。
相続した土地を国へ引き渡す前に、民間で売却できる可能性を確認しませんか?
- 買い手がいないと思っている
- 草刈りや固定資産税の負担を減らしたい
- 道路に接していない土地を相続した
- 宅地と一緒に農地や山林も相続した
- 建物を解体するべきか判断できない
- 隣接地所有者へ売却できるか知りたい
- 売却と国庫帰属のどちらがよいか分からない
このような段階でも、まず土地の現状を整理するところから始められます。
有限会社ランドワークスでは、水戸市・石岡市・鉾田市・ひたちなか市周辺の相続不動産について、通常の仲介、買取、隣接地への売却、空き家・空き地バンクなど、土地の状況に応じた選択肢をご案内します。
相続不動産について「何から確認すればよいか分からない」という段階でのご相談にも対応しています。
草刈り、伐採、測量、造成、解体などに費用をかける前に、まずは現状のままご相談ください。
土地の条件と地域の需要を確認し、売却や国庫帰属を含め、無理のない手放し方を一緒に整理します。
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