029-246-0366

10:00〜18:00 水・木曜定休日

不動産知識

家を売ると、手元にいくら残る?売却価格と手取り額の違い・売却費用をまとめて解説【2026年版】

家や土地の査定を受けて、「2,000万円くらいで売れそうです」と言われたとき、気をつけたいのが売却価格と、最終的に手元へ残る金額は同じではないということです。

売却すると、仲介手数料などの費用がかかります。住宅ローンが残っていれば、その返済も必要です。

物件によっては、測量や残置物の処分、建物の解体、登記手続きが必要になることもあります。また、売却によって利益が出れば、所得税や住民税がかかる可能性があります。

「いくらで売れるか」だけではなく、「売ったあと、実際にいくら残るのか」

「手残り金額」まで見ておくことが大切です。

特に、売却したお金を住み替え先の購入資金に使う場合や、相続した不動産を売却して相続人で分ける場合は、売却価格だけで資金計画を立てると金額が合わなくなることがあります。

売却価格=手取り額ではない

不動産を売却したときの手取りは、大まかには次のように考えられます。

手取り額の目安 = 売却代金 - 売却にかかる費用 - 住宅ローンの残債 - 売却によって発生する税金

ただし、すべての費用がすべての売主にかかるわけではありません。

たとえば、境界がすでに明確な土地なら測量をしないこともありますし、建物をそのまま引き渡せるのであれば解体費用はかかりません。住宅ローンを完済している住宅なら、当然ローン返済もありません。

そのため、手取り額を知るには、自分の不動産では何が必要なのかを一つずつ分けることから始めます。


家を売るときに考えておきたい費用一覧

売却時に出てきやすい費用をまとめると、次のようになります。

項目何にかかる費用か必要性支払う・精算する時期の目安
仲介手数料不動産会社に売却を仲介してもらい、成約した場合の報酬仲介で成約した場合売買契約時・引渡し時など。媒介契約等による
印紙税紙の不動産売買契約書などにかかる税金課税文書を作成する場合売買契約時
測量費土地の境界・面積などを確認するための測量物件・売却条件による売却活動中~引渡し前
残置物処分費家具、家電、生活用品などを撤去する費用残置物があり、売主側で撤去する場合引渡し前が一般的
解体費建物を取り壊して土地として引き渡す費用更地渡しなどの場合引渡し前など契約条件による
登記関係費用抵当権抹消、住所・氏名変更など売主側で必要となる登記登記状況による決済・引渡し前後
住宅ローン返済売却する住宅に残っている借入金の返済ローン残高がある場合多くは決済・引渡し時
譲渡所得にかかる税金売却によって課税対象となる利益が出た場合の所得税・住民税・国保税など利益や特例の適用状況による原則として売却した翌年以降
固定資産税等の精算売主が納付した固定資産税等を売主・買主間で精算する場合がある契約内容・地域慣行による多くは決済時

ここで注意したいのは、「売却時に必要なお金」と「売却代金から差し引かれるお金」は必ずしも同じタイミングではないことです。

たとえば譲渡所得に対する所得税は、原則として売却した翌年に確定申告を行って納めます。つまり、決済日に銀行口座へ入った金額が、そのまま最終的な手取り額とは限りません。


仲介手数料は「売れたとき」に考える大きな費用

不動産会社へ仲介を依頼して売却が成立した場合には、仲介手数料がかかります。仲介手数料には国が定める上限があります。

通常の売買で売買価格が400万円を超える場合、売主一方から受け取れる報酬の上限は、消費税を考慮すると一般に「売買価格×3%+6万円+消費税」という速算式で計算されます。

たとえば売買価格が2,000万円なら、上限は税込72万6,000円です。これはあくまで上限額であり、「必ずこの金額になる」と定められているわけではありません。

茨城県内では、郊外の土地や古い空き家などで、800万円以下の売却になることもあります。2024年7月から、売買価格800万円以下の宅地・建物については「低廉な空家等」の媒介報酬特例が設けられています。

この特例を利用する場合、不動産会社が依頼者一方から受け取れる仲介手数料は、媒介に要する費用を勘案したうえで税込33万円までとなる場合があります。特例を使って通常の上限を超える報酬を受ける場合は、媒介契約時にあらかじめ説明し、依頼者と合意する必要があります。


測量費は、すべての土地売却に必要なわけではない

土地や戸建てを売るときに「測量が必要です」と言われることがあります。測量は、土地の広さや隣地との境界を確認するために行います。

ただし、不動産を売却するなら必ず測量しなければならないというものではありません。

境界標が残っていて関係者間で境界が明確な場合もあれば、古い土地で境界が分からなくなっている場合もあります。この点は「契約条件」の一部と考えてよいでしょう。

相続した古い土地長く使っていない土地境界標が見当たらない土地分筆して一部だけ売る土地買主から確定測量を条件として求められる場合

こうしたケースでは、土地家屋調査士による測量が必要になることがあります。測量費は土地の広さだけでなく、隣接する土地の数、道路との境界確認、公有地との境界、過去の測量資料の有無などによって変わります。


残置物は「置いたまま売れるか」で費用が変わる

相続した実家や長期間空き家になっていた住宅では、「家具も食器も全部残っている」ということがあります。この家財などを一般に「残置物」と呼びます。

売主がすべて処分してから引き渡すのであれば、処分費がかかります。一方、売却方法によっては、残置物をそのままにした状態で買主が引き取るという条件で売買できる場合もあります。

そのため、査定を頼む前に何十万円もかけて家の中を空にする必要があるとは限りません。残った状態で一度相談し、売ってから処分するのか、処分してから売るのか、残したまま売却できるのかを比較したほうがよいでしょう。


古い家は、解体してから売ったほうが手取りが増えるとは限らない

築年数が古い住宅では、「更地にしないと売れないのでは」と考えることがあります。しかし、解体には費用がかかります。

経験の浅い不動産会社などでは、建物を解体し更地で売却する方が安易な方法だと考えている担当者も存在しています。状況によっては解体した結果、草刈代など費用負担も増え売れ残り、解体撤去費も税金から控除されない場合もあります。

当然ながら、建物付きのまま購入したい人がいる可能性もあります。古家付き土地として売り出す方法もありますし、買主が建物を解体する前提で価格を調整する方法も考えられます。

反対に、建物の状態や売却条件によっては、売主が解体して更地で引き渡すほうが話を進めやすい場合もあります。

つまり、「解体費がかかるか」だけではなく、「解体した場合としない場合で最終的な手取りがどう変わるか」を比較する必要があります。


登記費用は「売主がする登記」があるかを確認する

不動産を売却すると、買主へ所有権を移す登記が行われます。ただし、売主側に必要になる登記もあります。代表的なのが抵当権抹消登記です。

住宅ローンを借りたときには、通常、土地や建物に金融機関の抵当権が設定されています。ローンを完済しても、登記簿上の抵当権は自動的に消えるものではありません。

売却にあたって抵当権が残っている場合は、ローンを完済し、抵当権を抹消する手続きを行います。抵当権抹消登記の登録免許税は、原則として不動産1個につき1,000円です。司法書士へ依頼する場合は別途報酬も必要です。

ほかにも、「登記簿の住所が現在の住所と違う」「相続したが、まだ亡くなった方の名義になっている」といった場合には、売却前に別の登記手続きが必要になることがあります。


住宅ローンは「売却費用」ではないが、手取りに大きく影響する

住宅ローンの残高は仲介手数料や測量費のような「売却費用」ではありません。しかし、売却後に手元へ残る金額を考えるうえでは非常に大きな項目です。

たとえば、売却代金が2,500万円でも、住宅ローンが1,800万円残っていれば、2,500万円を自由に使えるわけではありません。

一般的には売却代金などを使って残っている住宅ローンを完済し、抵当権を抹消して買主へ引き渡します。査定を依頼するときには、「今の住宅ローン残高はいくらか」も確認しておきたいところです。


「3,000万円で売ったら税金が3,000万円にかかる」わけではない

売却費用の中で、特に分かりにくいのが税金です。不動産を3,000万円で売ったからといって、3,000万円全額に譲渡所得税がかかるわけではありません。

譲渡所得 = 売却価格 - 取得費 - 譲渡費用

取得費とは、簡単にいえば、その不動産を取得したときにかかった費用です。建物については減価償却を考慮するため、単純に購入時の金額をそのまま差し引くわけではありません。

譲渡費用には、売却のために直接必要となった仲介手数料や測量費、売買契約書の印紙代、一定の建物取壊し費用などが含まれます。

つまり、「3,000万円で買った家を2,000万円で売ったから税金はかからない」とも単純には言えませんし、「2,000万円で売ったから、その2,000万円に税金がかかる」というものでもありません。


所有期間によって税率も変わる

土地・建物の譲渡所得は、売却した年の1月1日時点での所有期間によって「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」に分かれます。

所有期間が5年を超える長期譲渡所得では、原則として所得税15%・住民税5%が基本となり、現在は復興特別所得税も加わります。

5年以下の短期譲渡所得では、所得税30%・住民税9%が基本です。こちらも復興特別所得税が加わります。

ただし、自宅を売却した場合には一定の要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。

特例には細かな要件があります。「自宅だから必ず税金はかからない」と考えず、利益が出そうな売却では税務署や税理士などへ確認するほうが安心です。


売買契約時には印紙税も確認する

紙の不動産売買契約書を作成する場合には、契約金額に応じた印紙税がかかります。

2026年10月時点では、不動産譲渡契約書について2027年3月31日まで軽減措置が設けられています。

たとえば、契約書に記載された売買金額が1,000万円超~5,000万円以下なら、軽減後の印紙税は1万円です。

金額自体は仲介手数料やローン残高ほど大きくないことが多いものの、売買契約時に必要になる費用なので、資金計画には入れておきます。なお、契約方法や作成する文書によって印紙税の扱いは変わることがあります。


決済日に振り込まれた金額が「最終手取り」とは限らない

不動産売却では、買主から残代金を受け取り、ローン返済や必要な精算をして引き渡す日を「決済」と呼ぶことがあります。この日に多くのお金が動きます。

そのため、「決済が終わった時点の預金残高=売却で最終的に残ったお金」と考えやすいのですが、税金が後から発生するケースがあります。

譲渡所得がある場合、所得税等の確定申告は原則として売却した翌年です。そのため、住み替えなどで売却代金を使う場合には、翌年に支払う可能性のある税金を残したうえで資金計画を立てることも必要です。国民健康保険加入者であれば、一時所得が増額となり国民健康保険料も、一時的ですが増税となることも加味しなければなりません。


手取り額を知りたいなら「査定価格」だけでは足りない

不動産査定では、「この家はいくらで売れそうか」を見ることが中心になります。

しかし、売主にとって本当に知りたいのが、「売ったあとに使えるお金はいくらなのか」であれば、査定価格だけでは不十分です。

全体的に整理すると、手取り額の見通しがかなり立てやすくなります。


たとえば「2,000万円で売れた」としても、残る金額は人によって違う

同じ2,000万円で売却した2つの住宅でも、手取りは同じとは限りません。

一方は、住宅ローンなし、境界も明確、荷物もなく、そのまま引渡しできる。

もう一方は、住宅ローンが残っていて、測量が必要。家財も残っており、更地渡しのため解体も行う。

この2つなら、売却価格が同じでも手元に残る金額にはかなり違いが出ます。

だからこそ、「うちは2,000万円で売れそう」から、「2,000万円で売れたら実際にいくら残るか」へ一段進んで考えることが大切です。


相続した家は「いくらで買ったか」が分からないこともある

相続した実家や土地では、「父が何十年も前に買ったので、購入価格が分からない」ということがあります。これは税金を計算するときに影響します。

国税庁では、実際の取得費が分からない場合などには、売却価格の5%を概算取得費として計算できる仕組みを設けています。

ただし、取得費が小さくなると、その分だけ譲渡所得が大きく計算される場合があります。

相続した不動産を売る予定なら、昔の売買契約書、領収書、登記関係資料などが残っていないか、売却前に探しておく価値があります。


売却前に「手取り見込表」を作っておく

売却を始める段階では、すべての金額が確定していなくても構いません。たとえば、次のような形で埋めていきます。

項目現時点の見込み
想定売却価格○○万円
仲介手数料約○○万円
住宅ローン残高○○万円
測量必要性を確認中
残置物見積もり予定
解体建物付きで売る場合と比較
登記抵当権・住所等を確認
税金取得費・特例を確認して試算
手取り見込み○○万円程度

この表があると、「この価格なら売却してよいか」「住み替え資金はいくら用意できそうか」「相続人へどのくらい分けられそうか」といった判断もしやすくなります。


まとめ

家を売るときは、「3,000万円で売れた」という数字だけでは、売主の手元に残る金額は分かりません。

不動産ごとに、住宅ローンが残っているか、境界確認や測量が必要か、荷物や建物をどうするか、どのような登記が必要か、売却による利益が出るのか。条件が違うからです。

特に住宅ローンと税金は金額が大きくなる可能性があります。

売出価格を決める段階から、売却価格ではなく「最終的な手取り」を一度試算しておくと、その後の資金計画を立てやすくなります。

査定額が高いか低いかだけではなく、「この金額で売れた場合、自分のケースでは何が差し引かれるのか」まで確認してから売却方法を決めるとよいでしょう。

水戸市・石岡市・鉾田市・ひたちなか市周辺で不動産売却を検討されている場合は、査定価格だけでなく、仲介手数料や測量、住宅ローン残高などを含めた「手取り額の目安」も一緒に整理できます。

相続した土地や古い空き家など、まだ必要な費用が分からない段階でも構いません。売却したあとにどのくらい残りそうかを確認してから、売るかどうかを検討することもできます。

不動産に関するお問い合わせ・ご相談は
お気軽にどうぞ

あわせて見たいおすすめ物件