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空き家のこと

相続した家、売却前に修繕は必要?

実家を相続するなら、手を加えるな!

解体撤去は、最後の手段です。

相続で引き継いだ実家。「もう誰も住む予定がないから手放そう」と決めたものの、いざ家の中を見渡すと、長年の生活による汚れや壁の傷、古びた水回りなどが目に付き、不安になる方は少なくありません。

「こんなにボロボロで売れるのだろうか?」「少しでも高く売るために、リフォームしてから売り出すべきか?」と悩むのは、ごく自然なことです。しかし、不動産売却の現場において、「売却前のリフォーム」が必ずしも正解とは限りません。

今回は、相続した物件の修繕が必要なケースと不要なケース、そして賢く売却するための判断基準について詳しく解説します。


1. 相続した実家によくある「現状」と売主の悩み

相続した物件は、築30年〜50年を超えていることも珍しくありません。実際に査定へ伺うと、以下のような状態であることが多いです。

  • 経年劣化: 壁紙の剥がれ、畳の変色、床のきしみ。
  • 設備の老朽化: 和式トイレ、バランス釜のお風呂、タイルのキッチンなど。
  • 長年の生活痕: 亡くなった親御様が最後まで暮らしていたままの荷物(遺品)や、長年のタバコのヤニ、油汚れ。
  • 建物の不具合: 雨漏りの跡、建具の建て付けの悪さ、シロアリ被害の形跡。

こうした状態を目の当たりにすると、多くの売主様は「まずは綺麗に直さなければ」と考えがちですが、実は現代の不動産市場には「あえて古いまま買いたい」という層が確実に存在します。


2. 修繕が必要かどうかを左右する「3つの視点」

修繕が必要かどうかは、物件の「スペック」だけで決まるわけではありません。以下の3つの視点から判断することが重要です。

誰に売るか(ターゲット設定)

  • 「リノベ前提」の若年層に売る場合:

最近は中古物件を購入し、自分好みにフルリノベーションする若い世代が増えています。彼らにとって、中途半端なリフォームは「解体費用が無駄になるだけ」であり、むしろ「ボロボロでもいいからその分安い物件」の方が魅力的に映ります。この場合、修繕は一切不要です。

  • 「すぐに住みたい」ファミリー層に売る場合:

予算を抑えつつ、すぐに新生活を始めたい層がターゲットなら、最低限のクリーニングや設備の修繕(給湯器の交換など)がプラスに働くことがあります。

買主がどのように使う予定か

買主がそのまま住むのか、あるいは建物を取り壊して更地として活用するのかによって、建物の修繕価値はゼロにも100にもなります。特に地方や敷地が広い場合、建物よりも「土地」としての価値が重視されるため、家を直す費用はそのまま「赤字」になるリスクがあります。

契約上の「責任」をどう回避するか

2020年の民法改正により、「瑕疵担保責任」に代わって「契約不適合責任」というルールが導入されました。これは、引き渡し後に契約書に書いていない不具合(雨漏りやシロアリなど)が見つかった場合、売主が修理費を負担しなければならないという厳しいルールです。 この責任を回避するために、直してから売るのではなく「壊れている箇所をすべて正直に告知して、現状のまま売る」という選択が、実は最も安全なケースが多いのです。


3. 修繕してから売る vs 修繕せずに売る:徹底比較

それぞれのメリット・デメリットを整理してみましょう。

項目修繕してから売る
(リフォーム済)
修繕せずに売る
(現状渡し)
メリット・内覧時の第一印象が格段に良い
・購入者が住宅ローンを組みやすい
・早期成約の可能性が高まる
・持ち出し費用が0円で済む
・相続後、即座に売り出せる
・「自分好みに変えたい」層を逃さない
デメリット・リフォーム代を価格に上乗せしきれない
・工事中に売却チャンスを逃す
・買主の好みに合わないリスク
・内覧時の印象が悪く、時間がかかる
・大幅な値引き交渉の材料にされやすい
・契約不適合責任のリスク管理が必要

4. 迷った時の新常識「ホームインスペクション」

「直すべきか、そのまま売るべきか」の判断がつかない場合の有効な手段が、「ホームインスペクション(建物状況調査)」です。

これは専門の建築士が住宅の健康診断を行うもので、数万円の費用で「どこが壊れているか」「あと何年住めそうか」を客観的なレポートにしてくれます。

  • 売主のメリット: 建物の状態を正確に把握できるため、売却後のトラブルを防げる。
  • 買主のメリット: 安心感が増し、リフォーム費用の見積もりが立てやすくなる。

修繕に数百万円かける前に、まずは数万円でインスペクションを受け、その結果を添えて「現状渡し」で売り出すのが、今の時代の賢い売り方です。


まとめ:後悔しないための最適解

相続した家の売却において、「良かれと思って行った修繕」が裏目に出ることは多々あります。 100万円かけて直しても、売値が100万円上がるとは限らないのが不動産の世界です。

大切なのは、「いくらかけて直すか」ではなく、「今の家の状態で、どの売り方が最も手残りのお金(利益)を最大化できるか」という戦略を立てることです。

  • まずは現状のまま、プロの不動産会社に査定を依頼する。
  • 「そのまま住む人」「リノベする人」「土地として買う人」のどこに需要があるか分析してもらう。
  • 修繕費用をかける代わりに、「価格調整」や「契約不適合責任の免責」で調整できないか相談する。
  • 境界杭は自分で探す。

弊社は、数多くの「そのままの家」を再生し、新しい住まい手へと繋いできました。傷みや汚れを恥ずかしがる必要はありません。庭木の手入れも不要です。残置物の撤去も取り敢えずは、そのままで構いませんが、貴重品、思い出の品は確保してくさい。最近では実家への空き巣が多いので、盗難特約付きの火災保険へ加入してください。まずはありのままの状態をご相談いただくことが、納得のいく売却への最短ルートです。

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