不動産知識
不動産査定額と売却価格の違いとは?

不動産の売却を検討する際、多くの方が不動産会社にお手持ちの不動産の価格を「査定」していただくことがあります。多くのお客様が「査定額」と「実際に売れる金額」が同じであると誤解しています。
今回は、「査定額」と「売れる金額」の違いについて深掘りし、高額査定に惑わされないためのポイントを詳しく解説します。
査定額とは?
査定額とは、不動産会社が市場データや物件の条件を基に、3ヶ月ほどで売れると予測する金額のことです。査定額はあくまで予測であり、実際の売却価格ではない点に注意が必要です。
査定額の算出方法
査定額は以下のような要素を基に算出されます。
- 過去の成約事例:近隣地域での類似物件の売却価格を参考にします。
- 物件の特性:築年数、間取り、設備などの物件の特徴。
- 市場動向:現在の不動産市場の需要と供給のバランス。
不動産会社によって異なる
査定価格の算出方法は前記方法が基準となりますが、不動産会社、担当者によって異なります。理由として、物件所在地に店舗、事務所を構え社歴等どれくらい重ねているのか?ローカル情報のストックしているのか。担当者の経験値、スキルによっては、販売方法、販路が異なりる為、リスクヘッジを取られる場合には低めに、不動産会社の物件量、営業員の都合等で、高めに算出されています。
高額査定のリスク
不動産会社によっては、他社よりも高額な査定額を提示して依頼を獲得しようとする場合があります。このような「高預かり」と呼ばれる行為は、売主にとって大きなリスクとなります。お客様の所有不動産を「品物」として考え、陳列棚に商品を並べる事が目的となり、本来の目的である「不動産売却」と、異なる為です。
高額査定のリスクとは?
- 売却期間が長引く:相場よりも高すぎるために買い手がつかず、売却期間が長引いてしまうことがあります。
- 市場価値の低下:売れ残った物件は市場価値が下がり、結果的に相場を下回る価格でしか売れない可能性もあります。
- 最初から売る気が無い:高値で預かり、売主様に諦めて頂き「安価で買い叩く」事を目論んでいる可能性があります。
不動産会社の選び方
査定を依頼する際は、高額査定に惑わされず、以下のポイントを重視して不動産会社を選ぶことが大切です。
- 目的の共有:不動産売却の目的を共有し、同じ目的に向けて販売活動を行って頂ける会社を選びましょう。
- 成約事例の提示: 査定額の根拠として、過去の成約事例や市場データをしっかり提示してくれるか確認しましょう。
- 物件の詳細な調査: 物件の詳細な調査を行い、正確な情報を提供してくれるかどうかを見極めることが重要です。
- 信頼できる担当者: 不動産取引は「目的を達成」させる為、長期間にわたる事も考えられます。心構え、販売手順、手続き、税金等、共に進めていく必要があります。質問しやすく、信頼できる担当者を選ぶことが必要です。
- 売出価格と成約価格の違い
不動産売却の過程では、「査定価格」「売出価格」「成約価格」という3つの価格が登場します。
- 査定価格:不動産会社が算出する予測値。
- 売出価格:実際に市場に出す際の価格。査定価格を基に設定されるが、戦略的に高めに設定されることもある。
- 成約価格:最終的に売主と買主が合意した実際の取引価格。
これらの価格は、売却のステージが進むごとに変化し、成約価格は時期と、市場の需要と供給によって決まります。
まとめ
不動産の売却を成功させるためには、「査定額」と「売れる金額」の違いを理解し、高額査定に惑わされないことがもっとも重要です。
査定は無料で行えるので、複数の不動産会社に依頼し、信頼できる不動産会社をみつけ、適正な価格で売り出し、スムーズな売却を目指しましょう。