不動産知識
居住用財産3000万円控除とは?条件や申請方法について解説
マイホームを売却する際、多くの人が活用できる非常に強力な節税策が「居住用財産の3,000万円特別控除」です。
この制度を正しく利用することで、売却益にかかる税金を大幅に減らし、手元に残る現金を増やすことができます。
今回は、この制度について詳しく解説します。
1.居住用財産3000万円控除とは
「居住用財産3000万円控除」とは、自分が住んでいる家(マイホーム)を売った際、その売却益(譲渡所得)から最大3,000万円までを差し引くことができる特例制度です。
通常、不動産を売って利益が出ると、その利益に対して所得税や住民税がかかります。しかし、この特例を適用すれば、利益が3,000万円以内であれば税金はかかりません。
譲渡所得の計算式
課税対象となる金額は、以下の計算で求めます。 課税譲渡所得 = 譲渡価額 -(取得費(※1) + 譲渡費用(※2))- 3,000万円(特別控除)
- (※1) 取得費: 土地・建物の購入代金、仲介手数料、登記費用、リフォーム費用など
- (※2) 譲渡費用: 売却時の仲介手数料、印紙税、建物取り壊し費用など
【注意点】 旧来の解説で「相続税の負担軽減」と混同されることがありますが、この制度はあくまで「家を売った時の所得税・住民税」に対する特例です。相続した空き家を売る場合の特例(No.3306)とは別制度ですのでご注意ください。
2. 特例を受けるための主な条件

この控除は「マイホームの売却」を支援するためのものなので、適用にはいくつかの厳格な条件があります。
- 自分が住んでいる家屋を売る、または家屋とともにその敷地を売ること
- 以前住んでいた家の場合、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する必要があります。
- 家屋を取り壊した場合の条件
- 取り壊した日から1年以内に売買契約を締結し、かつ住まなくなった日から3年後の年末までに売ること。また、取り壊した後にその土地を貸駐車場など事業用に使っていないことが条件です。
- 前年・前々年にこの特例を受けていないこと
- この特例は「3年に1度」しか使えません。また、買い換えの特例など他の主要な特例との併用ができない場合があります。
- 売手と買手が「特別な関係」でないこと
- 親子や夫婦、生計を一にする親族、自分が支配する同族会社などへの売却には適用できません。
- その他の制限
- 別荘(保養目的)や、一時的な仮住まい、転売目的で購入した家には適用されません。
詳細は国税庁のホームページ(「No.3302 マイホームを売ったときの特例」)でご確認ください。
3.控除を受けるための申請方法

この特例は、自動的には適用されません。たとえ売却益が3,000万円以下で納税額がゼロになる場合でも、必ず確定申告を行う必要があります。
申請の時期
不動産を売却した翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告を行います。 (例:2025年(令和7年)中に売却した場合は、2026年(令和8年)の期間内に申告)
必要書類と準備するもの
現在はマイナンバーの活用により、添付書類が一部簡素化されています。
居住用財産3000万円控除を申し込む際の必要書類は以下の通りです。
| 必要書類 | 受取り場所 |
|---|---|
| 確定申告書 | 税務署(または国税庁HPの確定申告書等作成コーナー) |
| 譲渡所得の内訳書(確定申告用) | 税務署(売却価格や取得費を記入する書類) |
| 譲渡した土地・建物の全部事項証明書 | 法務局 |
| 売買契約書の写し | 本人保管(売却時・購入時の両方) |
| 仲介手数料等の領収書 | 本人保管 |
| マイナンバーカード | 本人所有(e-Tax利用時は必須) |
※以前は住民票の写しが必要でしたが、現在は申告書にマイナンバーを記載することで原則不要となっています。ただし、売却した物件と現在の住所が異なる場合など、別途書類を求められるケースがあるため事前に確認しましょう。
おすすめの申請方法:e-Tax
2026年現在は、スマホやPCから「e-Tax(電子申告)」を行うのが最もスムーズです。書類の郵送や税務署への持参の手間が省け、還付がある場合の処理も迅速です。
4.まとめ
居住用財産3000万円控除は、住宅売却時の税負担を劇的に減らすことができる非常に有利な制度です。
- 「住まなくなってから3年後の年末まで」という期限に注意すること
- 「3年に1度」しか使えないルールを確認すること
- 「納税額が0円でも確定申告」を忘れないこと
これらが重要なポイントです。条件に合致するか不安な場合や、計算が複雑な場合は、早めに税理士や最寄りの税務署へ相談することをお勧めします。
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