不動産査定について｜価値評価と売却価格の把握方法

【不動産査定とは】

不動産の査定とは、所有する不動産がいくらくらいで売れるかを不動産仲介会社に依頼して査定してもらうことです。
査定額がわかればそれを基準にして売り出すための価格も設定できますし、資金計画を立てることができます。

【査定の種類】

査定方法の種類は大きくわけて二つあり、「机上査定（簡易査定）」と「訪問査定」という査定方法があります。
「机上査定（簡易査定）」は、基本的な不動産の情報（築年数や間取、面積、住所など）を不動産会社に伝え、そのデータからおおまかな査定額を算出する方法を指します。
この査定方法の最も大きなメリットといえるのが、その「手軽さ」です。
簡易査定では、実際に物件を見ることなく、物件情報や類似物件の取引価格、公示価格などをもとに、売り出し価格の目安を算出します。
結果が分かるまでの時間が短いのも、簡易査定のメリットの1つです。
早ければ当日中、平均的には数日～1週間以内にメールや電話で不動産会社の担当者から査定結果が伝えられます。

訪問査定の場合は、不動産会社が直接不動産を見て査定を行う査定方法です。
訪問査定は、不動産会社が直接物件を訪れ、不動産の基本情報や所有者へのヒヤリングに加えて、直接物件の状況を見た上で査定を行います。
この訪問査定では、物件の使用状況や、土地の地形、周辺環境などデータや話だけでは確かめる事が出来ない部分を確認し、正確な査定額を出す事を目的に行われます。
ただし、実際に持ち主の方と会うために日程調整が必要であり、査定額が出るまで一週間ほどかかるなどのデメリットがあります。

基本的には、「机上査定（簡易査定）」をまず行い、その後、「訪問査定」を行います。

【訪問査定時に伝えたほうがよいこと】

●希望条件

「いつまでに売りたい」、「いくら以上で売りたい」、「売却していることを近所に知られたくない」等の希望があれば、それらを伝えることが重要です。
これにより、不動産会社はあなたの希望に沿った提案をすることができます。

●売却対象の範囲

売却対象となる土地や建物の範囲を明確に伝えることが重要です。
例えば、敷地内に複数の建物がある場合、どの建物が売却対象かを明確にする必要があります。

●リフォームの有無

物件がリフォームされている場合、その内容や時期を伝えることが重要です。
リフォームされている場合、査定額が変わる可能性があります。

●設備等の不具合や過去の事故または周辺の状況等

物件に設備等の不具合や過去の事故がある場合、それらを伝えることが重要です。
また、周辺の状況（例えば、近隣に工場がある等）も伝えるべきです。これらは査定額に影響する可能性があります。

●過去の地歴や地下埋設物の有無

過去の地歴や地下埋設物の有無を伝えることも重要です。
土地が過去にどのように利用されていたかによって、土壌汚染や地下埋設物などがある可能性もあります。
これらは査定額に影響する可能性があります。

【訪問査定に必要な書類】

訪問査定を行う際は、準備しておいたほうがよい書類がいくつか存在します。
それらの資料を事前に準備しておくことで、スムーズに訪問査定を進め、早く正確な査定額を知る事が出来ます。
具体的に準備すべき書類は以下の通りです。

権利証または登記識別情報
登記簿謄本、公図、地積測量図、建物図面
境界に関する資料
隣地所有者と交わす「越境に関する覚書」
固定資産税納税通知書
購入時の各種書類（売買契約書、確認通知書・検査済証、管理規約など）
過去のリフォームや修繕履歴

【訪問査定にかかる費用】

基本的に不動産査定には費用は一切発生しません。
訪問査定でも机上査定でも基本無料で受ける事が出来ます。
費用が発生しない最もおおきな要因としてあげられるのは、査定で利益を上げるのではなく、査定をきっかけにそのまま契約を得る事を目的としているためです。

ただし訪問査定の場合は、資料を揃えたり、家の中をクリーニングしたりする場合には、そうした部分で間接的に費用が発生する事はあります。

【不動産査定を依頼した際の注意点】

不動産査定を依頼する際には、いくつか注意しておくべきポイントがあります。
まず、複数の不動産会社に査定を依頼し、信頼できる不動産会社を見極めることが重要です。
また、査定額が妥当かどうかを判断するためにも、売主側も不動産査定に対して知識を持つことが大切です。

【まとめ】

不動産の査定とは、不動産会社が物件の価値を評価することを指します。
査定額は、物件の立地条件、建物の構造や築年数、周辺環境など様々な要素に基づいて算出されます。

査定には、大きくわけて訪問査定と机上査定の二つの方法があります。
訪問査定は、不動産会社が物件を実際に訪問して査定する方法です。
一方、机上査定は、物件の情報を提供してもらい、その情報を基に査定額を算出する方法です。

不動産の売却を検討する際には、複数の不動産会社に査定を依頼することがおすすめです。
それぞれの会社が算出した査定額を比較することで、適正な価格を把握することができます。