不動産知識
隣地トラブル解決のカギ!土地家屋調査士による境界確認の効果と費用対効果
隣地とのトラブルを防ぐために土地家屋調査士に調査を依頼する場合の境界確認の流れ
かかる費用とその内訳
土地家屋調査士に依頼するメリットとデメリットについて解説します。
調査を依頼する流れ
土地家屋調査士に調査を依頼する場合の一般的な流れは以下の通りです。
- 問い合わせ:土地家屋調査士に電話やメールで問い合わせます。測量や調査の目的や範囲、希望する日程などを伝えます。
- 見積もり:土地家屋調査士が現地を下見したり、登記簿や図面などを確認したりして、測量や調査にかかる費用や期間を見積もります。見積もりは無料で行われることが多いです。
- 契約:見積もりに納得したら、土地家屋調査士と契約書を交わします。契約書には、測量や調査の内容や方法、費用や支払い方法、納期や責任範囲などが記載されます。
- 立会い:測量や調査を行う前に、隣地の所有者に立会いの日時と目的を通知します。立会いは、隣地の所有者が境界線に異議を申し立てないことを確認するために必要です。立会いには、自分だけでなく、土地家屋調査士も同席します。
- 測量:土地家屋調査士が現地で測量を行います。測量は、境界標や境界標識の位置や形状、隣地との距離や角度などを測定する作業です。測量には、レーザーやGPSなどの機器が使われます。
- 調査:土地家屋調査士が登記簿や図面などの資料を調査します。調査は、登記上の境界線と現状の境界線が一致しているかどうかを確認する作業です。調査には、法務局や市役所などの公的機関に出向くことがあります。
- 図面作成:土地家屋調査士が測量や調査の結果をもとに、図面を作成します。図面は、境界線や境界標の位置や形状、面積や周長などを示す図です。図面には、登記用図面と報告用図面があります。
- 報告書提示:土地家屋調査士が図面と報告書を提示します。報告書は、測量や調査の内容や結果、境界線の確定方法や根拠などを記述した文書です。報告書には、自分と隣地の所有者の署名と捺印が必要です。
- 登記申請:土地家屋調査士が登記用図面と登記申請書を法務局に提出します。登記申請は、登記上の境界線を現状に合わせて更新するために必要です。登記申請には、自分と隣地の所有者の同意が必要です。
- 費用支払い:土地家屋調査士に測量や調査にかかった費用を支払います。支払い方法は、契約書に基づいて行います。支払い時期は、報告書提示時や登記申請時など、契約書によって異なります。
かかる費用とその内訳
土地家屋調査士に調査を依頼する場合の費用は、以下のように構成されます。
- 測量費用:土地家屋調査士が現地で測量を行うためにかかる費用です。測量費用は、測量する面積や形状、難易度や時間などによって変わります。一般的には、数万円から数十万円程度かかります。
- 図面作成費用:土地家屋調査士が測量や調査の結果をもとに図面を作成するためにかかる費用です。図面作成費用は、作成する図面の種類や枚数、規模や内容などによって変わります。一般的には、数万円から数十万円程度かかります。
- 登記申請費用:土地家屋調査士が登記用図面と登記申請書を法務局に提出するためにかかる費用です。登記申請費用は、法務局が定める登録免許税や印紙税などの公的な費用と、土地家屋調査士が行う手続きや交通費などの私的な費用で構成されます。一般的には、数十万円から数百万円程度かかります。
- その他の費用:土地家屋調査士が測量や調査を行う際に発生するその他の費用です。その他の費用は、資料の取得費用や通信費用、境界標や境界標識の設置費用などがあります。一般的には、数千円から数万円程度かかります。
以上の費用を合計したものが、土地家屋調査士に調査を依頼する場合の総額となります。総額は、測量や調査の内容や規模、隣地との関係などによって大きく変わります。
一般的には、数十万円から数百万円程度かかると考えられます。
費用の目安として、以下の表を参考にしてください。
測量する面積 | 測量費用 | 図面作成費用 | 登記申請費用 | その他の費用 | 総額 |
---|---|---|---|---|---|
100平方メートル以下 | 5万円~10万円 | 5万円~10万円 | 10万円~20万円 | 1万円~3万円 | 21万円~43万円 |
100平方メートル~300平方メートル | 10万円~20万円 | 10万円~20万円 | 20万円~40万円 | 3万円~5万円 | 43万円~85万円 |
300平方メートル~500平方メートル | 20万円~30万円 | 20万円~30万円 | 40万円~60万円 | 5万円~10万円 | 85万円~130万円 |
500平方メートル以上 | 30万円以上 | 30万円以上 | 60万円以上 | 10万円以上 | 130万円以上 |
※表はあくまで目安であり、実際の費用は土地家屋調査士に見積もりを依頼する必要があります。
土地家屋調査士に依頼するメリットとデメリット
土地家屋調査士に調査を依頼する場合のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
- 境界線を正確に測定し、登記上の境界線と現状の境界線を一致させることができる
- 隣地とのトラブルを防止し、安心して土地を利用することができる
- 土地の価値や売買の際の交渉力を高めることができる
- 土地家屋調査士は国家資格者であり、専門的な知識や技術を持っている
- 土地家屋調査士は公正な立場であり、中立的な報告書を作成する
デメリット
- 調査にかかる費用が高い
- 調査にかかる期間が長い
- 隣地の所有者の同意や立会いが必要な場合がある
- 調査結果に納得できない場合がある
まとめ
土地家屋調査士に調査を依頼する場合の境界確認の流れ、かかる費用とその内訳、土地家屋調査士に依頼するメリットとデメリットについて解説しました。
土地家屋調査士に調査を依頼することは、隣地とのトラブルを防ぐために有効な方法です。しかし、費用や期間なども考慮する必要があります。自分の土地の状況や目的に合わせて、土地家屋調査士に相談してみましょう。