不動産知識
住宅ローンが残っている家、どうすればいい?
住宅ローンが残っている家、どうすればいい?
無理をしないための、やさしい選び方ガイド
「毎月の返済が少し重くなってきた」「このまま続けられるか不安」
そんな気持ちのときに、今すぐできることをやさしい順に並べました。焦らず、一歩ずつ一緒に整理していきましょう。
まずは“いま”を軽くする:返済条件の見直し
最初の相談先は、やっぱり借りている金融機関です。「いま少し苦しくなっているので、期間を延ばせますか? 一時的に返済額を下げられますか?」と、率直で大丈夫。
・用意しておくと安心:収入や家計のメモ、今後の見通し
・よくある形:返済額の一時軽減/返済期間の延長
・小さな注意:一時的に軽くなっても、あとで元に戻す必要があることが多いです
「売るしかない」と決める前に、“時間をつくる”選択肢があるだけでも、気持ちが少し楽になります。
「貸して返す」は要注意:賃貸化は承諾を取ってから
家賃でローンを返す発想は自然ですが、住宅ローンの家を勝手に貸すのはNGのことがあります。
・まず金融機関へ「貸してもいいですか?」と承諾を確認
・そのうえで、空室や修繕、管理費などを含めた実際の手残りを試算
・承諾は口頭ではなく書面で確認できると安心
“やってみたら赤字だった”を避けるために、家賃−(空室・修繕・管理)=手取り の確認がコツです。
売るときの不安をほどく:残債が多い“オーバーローン”でもできること
売却価格よりローン残高のほうが多いときでも、道はあります。
1) 差額の借入れが可能か、金融機関に相談
2) 自己資金での補填(貯蓄・ご家族の支援など)を検討
3) 金融機関の提案スキーム(進め方の型)があれば、それに沿って進行
どの方法が良いかは人それぞれ。まずは「差額はいくら?」を見える化するだけでも、次の一歩が決めやすくなります。
いま売る? もう少し待つ? 判断のヒント
・相場:購入時より上がっていないエリアもあります。周辺成約事例の確認を。
・住み替え後の費用:家賃・引っ越し・諸費用まで入れてトータルで比較。
・時間:延滞前に動くほど、選べる方法が増えます(条件変更・承諾・売却準備などに時間が必要なため)。
相談先の選び方(安心材料のチェック)
・金融機関との調整実績がある(交渉の流れを説明できる)
・ホームページに取引先金融機関の記載、顧問弁護士、元銀行員在籍などを確認する
・査定額や販売計画を数字で見せてくれる
・「リスケ/賃貸化/売却」を並べて比較表にしてくれる
3分でできる“心を軽くする”チェックリスト
▭ 延滞前に金融機関へ返済相談(リスケ)の連絡をした
□ 賃貸化は承諾の要否を確認し、手取り試算を見た
□ 売却の場合の差額(諸費用・税・引越し含む)を書き出した
□ 差額の埋め方(追加借入/自己資金)の目星をつけた
□ 実務に強い不動産会社へ早めに相談した
まとめ:自分を責めないで、順番に
・まずは金融機関に事情を伝える——それだけで選択肢が広がります。
・賃貸化は承諾と試算が先。急がず確認。
・売却は最後のカードでも、準備すれば“納得の形”に近づけます。
・一人で抱え込まず、実務に詳しい味方をつくりましょう。

