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不動産知識

相続を“争族”にさせないために

「終活」は、自身の意向を伝えるため、家族のための前向きな活動です。「縁起でもないから生前に資産の整理なんてしない」という選択は、自分を支えてくれた人を傷つける結果になるかもしれません。そうなる前に、今回のコラムでは不動産の相続について考えていきます。

1. 現物分割

「うちは争うほど資産はないよ」とおっしゃる方が多いですが、「自宅や一定の現金預貯金しかない」ご家庭ほど“争族”は起きます。自宅などの不動産は分割が難しく、公平に相続しにくいからです。

例として、お子さん3人に自宅と現金預貯金を相続する場合、次のように分割します。

  • 自宅:相続税評価額3,900万円
  • 現金預貯金:1,500万円
  • 相続人:子A・B・C
  • 状況:子Aのみ自宅で同居

一見して公平に見える相続でも、共有不動産となると全ての共有者の同意が必要になるため、売却や賃貸はしづらくなります。特に、遺言書など被相続人の意思がわからない場合、相続が“争族”に発展してしまうケースが少なくありません。

2. 代償分割

現金預貯金をAに相続し、BとCに分けます。しかし、Aに資金がないと難しいため、対策としては投資物件Aを現金化しておくことも選択肢の1つです。

相続税の基礎控除

相続税は、相続発生から10ヶ月以内に納税する必要があります。現金や預貯金と比較して、不動産は相続税評価額を抑えられるため、相続税対策としてアパートや投資用物件を購入する方もいますが、必要最低限の現金を残しておくことが重要です。

3. 共有分割

自宅をAに、現金預貯金をB・Cに分ける場合でも、Aが住み続ける場合は不公平感が生じることがあります。自宅の持分も現金預貯金も1/3ずつ分割することで、持分が同等だったとしても不公平感が生じてしまう可能性があります。

4. 換価分割

自宅を売却して対価をA・B・Cで公平に分ける方法もありますが、Aは住む場所を失うため、これも難しい場合があります。

相続税の速算表

基礎控除額は3,000万円+(600万円×法定相続人の数)です。相続資産が基礎控除額を超える場合、相続税が発生します。たとえば、相続資産が9,000万円で基礎控除を除いた相続資産が4,800万円の場合、20%の920万円を納税する必要があります。

まとめ

相続を“争族”にさせないためには、不要な不動産を早めに処分し、ご家族で相続について話し合うことが大切です。弊社は、不動産に関する終活から相続までトータルでサポートいたします。ご家族だけでは話し合いにくいことも、不動産のプロに相談することが将来を考えるきっかけになるはずです。