空き家のこと
空き家のライフライン管理|電気・ガス・水道を止めるべきか?
空き家のライフラインの管理について悩んでいる方へ。
電気、ガス、水道を止めるべきかどうかや解約する際のメリットデメリットを説明します。
【空き家の光熱費】
空き家の光熱費についてですが、日常的に使用することはなく、月に一度か二度、管理のために訪れた際に使用する程度ですので、
基本的には、基本使用料に若干上乗せしたくらいの金額がかかることになります。
金額自体は自治体や契約内容によって異なりますが、一般的に言われているのは、年間約3~4万円ほどの光熱費が空き家に発生しているそうです。
【ライフラインの管理】
空き家のライフラインの管理についてですが、電気、ガス、水道。それぞれ止めるべきかどうか。
また止めた際のメリットデメリットもそれぞれ違うので各種説明していきます。
●電気
電気については、電気を通しておく設備があるかどうか。また、電気を管理の際に使用するかどうかで判断しましょう。
給湯器や浄化槽などがある場合は電気を通しておいたほうがよいです。
給湯器は凍結して故障するのを防ぐことができますし、浄化槽は浄化槽内のバクテリアを死滅するのを防ぐことができます。
また、こうした設備がなくとも、例えば掃除の際には電気があれば掃除機を使えますし、作業中にエアコンを使うことができます。
その場合は、ブレーカーを落としておくことで電気代を節約することができます。
一切使用しないのであれば解約してしまっても問題はありません。
解約するメリットとしては、電気が原因による火事を防ぐことができるためです。
●水道
水道を解約してしまうのはおススメしません。
水道は家の中の掃除や作業に関わりますし、なにより「通水」ができなくなってしまいます。
この「通水」は空き家の水道管を良好な状態に保つためには必要な作業です。
通水をしないでいると水道管が空気に触れ、錆びついてしまい破損しやすくなってしまいます。 その結果、水道管の交換や修理といった事態になると多額の費用がかかってしまいます。
そうならないようにするために、一ヶ月に一度は一分程度、水道から水を出して通水を行う必要があります。
また、水を長期間流さないでおくと、下水管の「排水トラップ」に水がなくなってしまい、その結果、下水からの悪臭が立ち上り家が臭くなったり、ネズミや害虫の侵入を許すことになります。
●ガス
ガスに関しては解約してもさほど問題にはなりません。
水道や電気と違い、管理の際に使用することは少ないためです。
【空き家対策の推進に関する特別措置法】
ここまで空家のライフラインを解約するかどうかの話をしましたが、空き家の所有者は「空き家対策の推進に関する特別措置法」に基づき、空き家を適切な形で管理しなくてはいけないという決まりがあります。これにより、空き家を適切に管理しないと固定資産税が大幅に増税されてしまうリスクがあります。 そのため、安易にすべてのライフラインを解約するのはおススメできません。
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【まとめ】
空き家の光熱費やライフラインの管理について考えると、電気やガスを解約することは問題ない場合もありますが、水道は解約しない方が良いでしょう。
空き家の水道管を良好な状態に保つためには「通水」が必要です。
また、空き家の所有者は適切な管理をしなければ固定資産税が増税されるリスクがあるため、安易にすべてのライフラインを解約することはおススメできません。